本日5月18日に発表されたMediaTek Dimensity 820(MT6875)のベンチマークスコアが判明しましたので、Dimensity 800と競合他社製品のQualcomm Snapdragon 768G 5G、Samsung Exynos 980、Huawei Kirin 820と簡単に比較を行います。計測に使用された機種はRedmi 10X(Xiaomi M2004J7BC)であることが明かされています。
Dimensity 820はDimensity 800の高クロック版となっており、CPUは4xA76(2.6GHz)+4xA55(2.0GHz)のオクタコア構成、GPUはARM Mali-G57 MC5 @900MHzとなっています。RAM規格はLPDDR4X(最大16GB)、5GはSub-6GHz帯のNSA/SA方式に対応、製造プロセスは台湾TSMC製7nm FinFETを採用しています。名称に“820”がつけられており、競合他社製品のKirin 820をかなり意識していると考えています。
Dimensity 820のAnTuTu Benchmark v8スコアは、CPU性能が135,662点、GPU性能が126,276点、MEM性能が83,949点、UX性能が69,390点で総合性能は415,277点という結果になりました。Dimensity 800と比較してCPU性能は32%、GPU性能は33%の性能向上が行われています。
仮想敵として考えられるKirin 820と比較するとすべての性能で上回っており、特にGPUはMali-G57 MP6 @804MHzとMali-G57 MC5 @900MHzでKirin 820の方が周波数は低いもののコア数は多いのでKirin 820が優れていると思っていましたが、わずかな差ですがDimensity 820が上回っています。Snapdragon 768G 5Gは全く相手になっていない状況で、あのQualcommがTOPに位置していない現象が発生しています。
MEM性能はRAM 8GB+内蔵ストレージ 256GBと内蔵ストレージの容量が多いのでフラッグシップ級の性能が発揮されています。
Geekbench v5.1ではシングルコア性能は644点、マルチコア性能は2.622点となっています。Dimensity 800からはシングルコア性能は26%、マルチコア性能は20%の性能向上が出来ています。シングルコア性能はSnapdragon 768G 5GはA76*(2.8GHz)、Exynos 980はA77(2.2GHz)を採用しているため、A76(2.6GHz)を採用しているDimensity 820はこの2つには負けています。一方でマルチコア性能は4xA76+4xA55とフラッグシップ級の構成を採用していることが要因となって大差をつけて勝っています。