MediaTek Dimensity 1200を初搭載したrealme GT NeoのAnTuTu Benchmark v9スコアが明らかになったので、Dimensity 1100と従来製品のDimensity 1000+と比較します。
Dimensity 1200のスペックは、製造プロセスはTSMC製6nm EUV(N6)、CPUは1xA78 3.0GHz+3xA78 2.6GHz+4xA55 2.0GHzのオクタコア構成、GPUはMali-G77 MC9 @886MHzとなっています。
RAMはLPDDR5ではなくLPDDR4Xに、内蔵ストレージは最新の規格のUFS 3.1に対応します。競合他社製品のSnapdragon 888 5G、Kirin 9000、Exynos 2100がLPDDR5に対応している中でDimensity 1200は唯一の非対応となるため、少し劣っているのかもしれません。
通信面においてはWi-Fi 6やBluetooth 5.2に対応、5G通信はFR1で定義されているSub-6GHzに対応し最大通信速度は下り4.7Gbps/上り2.5Gbpsと発表されています。
Dimensity 1200のAnTuTu Benchmark v9スコアは、CPU性能が184,275点、GPU性能が244,619点、MEM性能が126,243点、UX性能が136,142点で総合性能は691,279点となりました。
同日に発表されたDimensity 1100と比較するとCPU性能は約2.3%、GPU性能は約3.4%の上昇なのでそれほど大きな差は出ていません。CPU性能はAnTuTu Benchmarkはマルチコア性能に重点が置かれているので1コアだけ3.0GHzになったDimensity 1200は差が生まれにくいこと、GPU性能は周波数が50MHzしか変わらない同じMali-G77 MC9を採用していることで大きな差が発生しなかったことが考えられます。
Dimensity 1000+と比較するとCPU性能は約12%、GPU性能は約14%の上昇が見え、CPU性能はA77からA78に更新したこと、GPU性能はDimensity 1100とDimensity 1000+を比較した記事でも記載しましたが、継続してMali-G77を採用し最適化を行ったこと、メモリの周波数が上昇(高速化)したことが考えられます。また、製造プロセスの微細化による速度向上も一定の効果を寄与している可能性もあります。
Dimensity 1200とDimensity 1100はCPUとGPUの性能に大きな差は生まれませんでしたが、その他の点ではAIの計算能力は4.5 TOPS AIに対し5 TOPS AI、カメラの最大対応画素数は1億800万画素に対し2億画素、対応リフレッシュレートはFHD+環境で144Hzに対し168Hzまで対応といった違いはあるので、Dimensity 1200の存在意義が薄れることはありません。また、3.0GHzの存在によってブラウジングやSNS利用などの低負荷で瞬間的な動作が必要になる場合においては優位点があります。