MediaTekは2021年1月20日に開催したMediaTek天璣新品発布会にて2021年のハイエンド製品向けSoCとなるMediaTek Dimensity 1100とDimensity 1200を発表しました。
MediaTekの製品展開における“Dimensity”の名称は5G通信に対応していることを表現しているので、今回発表された両SoCは当然5G通信に対応しています。
名称 | Dimensity 1200 | Dimensity 1100 | Dimensity 1000+ |
CPU | A78+A78+A55
1+3+4構成 |
A78+A55
4+4構成 |
A77+A55
4+4構成 |
周波数 | 3.0GHz+2.6GHz+2.0GHz | 2.6GHz+2.0GHz | 2.6GHz+2.0GHz |
GPU | Mali-G77 MC9 | Mali-G77 MC9 | Mali-G77 MC9 |
周波数 | 886MHz | 836MHz | 836MHz |
NPU/DSP | APU 3.0(6-core)
5 TOPS AI (calc) |
APU 3.0(6-core)
4.5 TOPS AI |
APU 3.0(6-core)
4.5 TOPS AI |
カメラ | Imaniq ISP(5-core)
2億画素 or 3200万画素+1600万画素 |
Imaniq ISP(5-core)
1億800万画素 or 3200万画素+1600万画素 |
Imaniq ISP(5-core)
8000万画素 or 3200万画素+1600万画素 |
リフレッシュレート | 90Hz(WQHD+)
168Hz(FHD+) |
90Hz(WQHD+)
144Hz(FHD+) |
144Hz(FHD+) |
エンコード/デコード | 4K@60FPS 10-bit H.265/HEVC, H.264 encode & VP-9, AV1 decode | 4K@60FPS 10-bit H.265/HEVC, H.264 encode & VP-9, AV1 decode | 4K@60FPS 10-bit H.265/HEVC, H.264 encode & VP-9, AV1 decode |
RAM | LPDDR4X(2133MHz) | LPDDR4x(2133MHz) | LPDDR4x(1866MHz) |
ストレージ | UFS 3.1 | UFS 3.1 | UFS 2.2 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6 |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.1 |
位置情報 | GPS/BeiDou/Glonass/Galileo/QZSS/NacIC | GPS/BeiDou/Glonass/Galileo/QZSS/NacIC | GPS/BeiDou/Glonass/Galileo/QZSS/NacIC |
通信 | 統合: 5G Modem
Sub-6GHz(4.7Gbps/2.5Gbps) |
統合: 5G Modem
Sub-6GHz(4.7Gbps/2.5Gbps) |
統合: 5G Modem
Sub-6GHz(4.7Gbps/2.5Gbps) |
製造プロセス | TSMC 6nm | TSMC 6nm | TSMC 7nm |
内部コード | MT6893 | MT6891 | MT6889 |
Dimensity 1200のスペックは、台湾TSMC 6nm製造プロセスを採用し、CPUは1xARM Cortex-A78 3.0GHz+3xARM Cortex-A78 2.6GHz+4xARM Cortex-A55 2.0GHzのオクタコア構成を採用し、GPUはARM Mali-G77 MC9 @周波数不明を採用しています。
MediaTekによるとDimensity 1000+と比較してCPU性能は22%の高速化と25%の電力効率の向上、GPUはGFXBenchのManhattan 3.0では13%、Manhattan 3.1では10%、T-Rexでは11%の性能向上が出来ていると発表しており、GPUの構成はDimensity 1000+と変更はないため836MHzから周波数が上昇している可能性があります。
Dimensity 1100のスペックは、台湾TSMC 6nm製造プロセスを採用し、CPUは4xARM Cortex-A78 2.6GHz+4xARM Cortex-A55 2.0GHzのオクタコア構成を採用し、GPUはARM Mali-G77 MC9 @周波数不明を採用しています。Dimensity 1100のGPUについては特に明記がありませんので、Dimensity 1000+と同じ周波数となる836MHzではないかと考えています。
Dimensity 1100とDimensity 1200と異なる点はCPUの構成と周波数、GPUの周波数、AI性能、シングルカメラにおける最大画素数、FHD+環境における最大リフレッシュレートとなっています。
通信面においてはFR1で定義されているSub-6GHz帯の通信に対応し最大通信速度は下りが4.7Gbpsで上りが2.5Gbpsとなっています。FR2で定義されているmmWave(ミリ波)には非対応。無線LANにおける規格は2.4GHz帯と5GHz帯の利用ができるWi-Fi 6、Bluetoothは現在最新の規格となるBluetooth 5.2に対応しています。2021年1月現在、アンアライアンスバンド(免許不要帯域)となる6GHz帯の利用が可能なWi-Fi 6Eを採用しているSoCはありますが、スマートフォンやタブレットで対応している製品は今の所登場していないため、Wi-Fi 6Eに非対応であることはそれほど大きな障害にはならないと考えています。
RAMや内蔵ストレージの規格については競合他社製品はLPDDR5の対応を謳っていますがDimensity 1200とDimensity 1100共にLPDDR4Xの対応に、内蔵ストレージはハイエンド規格としては最新のUFS 3.1に対応しています。
Dimensity 1100とDimensity 1200はXiaomiやOPPO、vivo、realmeが採用を表明しています。