数ヶ月前にQualcommがサムスン電子の3nmプロセスを検討している情報が流れた際に多くの人が嘘だと思いましたが、最新の情報では検討したこと自体は本当でした。
Qualcommに技術課長として従事する人物が公開した情報によると、各種プロセス技術のPPA(Power、Performance、Area)分析として、3nmプロセスの3GAEを取り扱ったことが判明しました。これが3nmのみの表記であればTSMCも考慮すべきですが、3GAEという特徴的な名称はSamsung Foundryで採用しているものなので、Qualcommがサムスン電子の3nmプロセスを検討したことは本当だとわかります。
ただ、韓国の情報通の吸血鬼王氏によると、社員が考慮したと記載した3GAE(3LPE)はキャンセルされ、現在はSF3(3GAP)を考慮しているようですが、本当の情報として公開できるほどではないとのことです。そのため、現時点では最先端プロセスにおいてはTSMCでの製造を優先しようとしている様子が見受けられ、多くの人にとっては嬉しい情報になるかもしれません。
現在の情報をまとめると少なくとも2023年末に発表予定のSnapdragon 8 Gen 3はTSMCで製造される予定です。ただ、現在考慮していると伝えられているSF3は、サムスン電子が少し前に公開したロードマップによると2024年中の量産を目標としているため、NUVIA製CPUを搭載するSnapdragon 8 Gen 4がTSMCなのかSamsung Foundryで製造されるのか現時点では不明です。
ちなみに、TSMCの3nmプロセスは従来のFinFET構造、Samsung Foundryの3nmプロセスは最先端のGAA構造を採用する予定で、あくまでも本来の性能を発揮できた場合ではありますが、基本的にはGAA構造の方が性能であったり電力効率であったり、ダイ面積の縮小に期待ができます。そのため、歩留まりと発揮される性能が素晴らしいのであればSamsung Foundryの3nmプロセスで製造されること自体は何も問題ではありません。