Honor 30が初搭載機となった5G通信対応プロセッサーのHuawei Kirin 985のベンチマークスコアが判明しました。KirinプロセッサーはHuawei完全子会社のHiSiliconが開発しています。
今回判明したKirin 985のベンチマークスコアをKirin 980とKirin 820、Snapdragon 765G 5G、Dimensity 1000L、Exynos 980をAnTuTu BenchmarkとGeekbenchを用いて簡単に比較します。
基本的なスペックはこの様になり、製造プロセスは7nm FinFET、CPUは1xARM Cortex-A76*(2.58GHz)+1xA76*(2.40GHz)+4xA55(1.84GHz)のオクタコア構成、GPUはARM Mali-G77 MP8、NPUはDa Vinchアーキテクチャに基づいたAscend LiteとAscend Tinyを1コアずつ採用し計2コアとなっています。CPUのA76コアはセミカスタムが施され、GPUのMali-G77はKirinプロセッサーにおいて初採用となります。
Kirin 985のAnTuTu Benchmark v8スコアは、CPU性能が138,734点、GPU性能が134,260点、MEM性能が68,098点、UX性能が65,289点で総合性能が306,381点という結果になりました。CPU性能とGPU性能ともに2年前のハイエンド帯向けに発表されているKirin 980を越しています。Kirin 820のスペックに近いのでKirin 825やKirin 830の名称にするのが一般的ですが、Kirin 980の性能を上回っているのでKirin 985という大きい名称を背負うだけのポテンシャルを持っています。
Kirinプロセッサーといえば低いGPU性能がイメージとしてありますが、これを見る限りSnapdragon 765G 5GやExynos 980よりも遥かに高く、認識を改める時が来ています。
Geekbench v5ではシングルコア性能が688点、マルチコア性能が2,557点という結果になりました。Kirin 980とはシングルコア性能が2.6GHzと2.58GHzなのでわずかに差が生まれ、マルチコア性能では全体的に周波数の高いKirin 985が上回りました。
初搭載機はHonor 30で、6GB+128GBモデルが2999元(約46,000円)、8GB+128GBモデルが3199元(約49,000円)、8GB+256GBモデルが3499元(約53,000円)に設定されており、販売開始日は2020年4月21日に設定されています。