2020年のHUAWEIは同社において最も苦しい企業運営となったのは火を見るより明らかで、有名なものではアメリカ合衆国による制裁によって台湾TSMCへの半導体製造委託が出来なくなったためHUAWEI製品における非常に重要なSoCの供給が不可能となり、最近ではHUAWEI Mate 40シリーズの圧倒的な在庫不足が叫ばれています。
そして、2020年12月に発表されたHUAWEI Mate 40シリーズが搭載しているHUAWEI Kirin 9000とKirin 9000Eは台湾TSMCによって5nm EUV製造プロセスで製造された製品ですが、制裁による影響として台湾TSMCが「9月14日以降に継続してHUAWEIへの供給予定はない」との発言したり、HUAWEI CEOの余承東(Richard Yu/リチャード・ユウ)氏による「Kirin 9000とKirin 9000Eは最後のハイエンド製品になるかもしれない」という発言によってKirin 9000シリーズの製造および供給が不可能となっている状況が明らかで、このことが原因でHUAWEI Mate 40シリーズの在庫不足が叫ばれているのでしょう。
暗いニュースばかり続くHUAWEIですが、著名リーカーの@RODENT950(Teme (特米))氏は「HUAWEI(完全子会社HiSilicon)が5nm+ EUV製造プロセスを採用したKirin 9010、3nm EUV製造プロセスを採用したKirin 9020を研究開発している」との情報を流したことで、少しだけHUAWEIに明るい情報が流れてきました。しかし、これは喜べる情報ではなくあくまでも“研究開発”となっていることからわかりますが、HUAWEIの技術を高い水準に保っておくことを目的としたもので、実際にKirin 9010とKirin 9020が製造され、搭載製品が世に出回るかというのは別の話です。
ちなみに台湾TSMCによると、3nm製造プロセスは5nm製造プロセスと比較して消費電力を25-30%削減し、性能を10-15%向上させることが出来ると発表しています。