HUAWEIが2018年7月に発表したミドルレンジモデル向け新プロセッサー「HiSilicon Kirin 710」のGPUクロック数は発表時に公式によるアナウンスはなく、もっと言ってしまえばコア数も不明でした。コア数はHUAWEI nova 3iを紹介しているタイ市場向けのサイトにてARM Mali-G51 MP4(4コア)であると判明しましたが、依然としてクロック数は不明のままでした。
発表から約4ヶ月が経ったのでそろそろクロック数が記述されているかと思い、日本市場向けに販売しているHUAWEI Mate 20 liteのスペックを拝見した所、書かれているのはCPUの構成のみで一番気になるところが書かれていませんでした。そこで、他の市場向けに販売を行っているKirin 710搭載機のスペックを拝見したら書いてある事が確認できました。
書かれていたのはHUAWEI Mate 20 liteのグローバル市場/フィンランド市場/フランス市場/イタリア市場向け、HUAWEI Mate 20 liteのベースモデルとなっている中国市場向けのHUAWEI Maimang 7(麦芒 7)の計5市場向けで、1000MHz(1GHz)であることがわかりました。他にKirin 710を搭載しているのはHONOR 8XやHUAWEI P Smart+、HUAWEI Y9 2019がありますが、これらのスペックには記述がありませんでした。
かなりの高クロックに設定されており、1000MHzを超えるのはHUAWEI P10やP10 Plusに搭載されたHiSilicon Kirin 960の1037MHz以来です。そして、HiSilicon製ミドルレンジモデル向けプロセッサーの枠組みでは初めて4桁となる1000MHzを採用しています。
“HiSilicon製ミドルレンジモデル向けプロセッサーの枠組み”と書いたのは、Samsungが2018年1月に発表したSamsung Exynos 5 Series 7872に搭載されているARM Mali-G71 MP1が1200MHz(1.2GHz)の高クロックに設定されているためです。つまり、前例のない高クロックというわけではありません。
AnTuTuベンチマークにおけるKirin 710のGPU性能は約22,000点で実際の所そこまで高くありません。ただ、HUAWEIはゲーム等のGPUをふんだんに使用する場合にGPUの動きを最適化するGPU Turboと言う革新的機能を開発しており、Kirin 710もそれに対応しているので数値以上の動きをもたらすと考えています。
クロック数が1000MHzであることや搭載しているGPUを公式サイトのスペック表で明かさないのか不明ではありますが、これでほぼ全てのスペックがわかったので安心です。