CPU性能を計測するのに長けているGeekbenchを開発提供しているPrimate LabsがGeekbench 5.2をリリースしたことを現地時間2020年6月11日に明らかにしました。
Geekbench v5.1からの変更点は32-bit Android搭載機の再サポート、Vulkan 8-bit storage typeのサポート、Compute Benchmarkにおいて転送速度の改善が挙げられます。Geekbench v5.0とv5.1では64-bit Android搭載機のみサポートをしていましたが、理由としてGeekbenchが大規模なデータセットを利用しているので、32-bit Android搭載機ではマルチコア性能を計測してしまうときに使用可能なメモリを使い切ってしまうことから32-bit Android搭載機のサポートをやめていました。しかし、サポートを復活してほしいというユーザーからの要望に応えてサポートを再開していますが制約があり、メモリが限られているのでマルチコア性能計測時には最大4スレッドまでしか実行できないようになっています。
Vulkan 8-bit storage typeのサポートは、Vulkanは他のCompute APIとは異なって拡張機能を利用した場合を除いて8-bitストレージタイプをサポートしていませんでしたが、Geekbench v5.0では8-bitの値を32-bitのストレージに格納することで制限を回避していました。Geekbench v5.2では8-bitストレージタイプの拡張機能を利用できるようになったので、32-bitストレージタイプを使用する必要がなくなり、8-bitストレージタイプをサポートするデバイスでは、過去のバージョンと比較してVulkan Compute Benchmarkのスコアが高くなります。
この他Android OS搭載機でCompute Benchmarkを実行したときにクラッシュする可能性がある問題や、iOSでDynamic Typeを使用した場合に表示の問題が発生する可能性を修正しています。更にPrimate LabsはGeekbench v5.2でCompute Benchmarkの最適化を行っているので、過去のGeekbench v5.0とGeekbench v5.1と比較することを控えるように話しています。一方でCPU Benchmarkは修正点がないので、Geekbench v5.2とGeekbench v5.1は互換性があります。