2016年度のMシリーズスマートフォンの小型端末として販売されているMeizu M3 miniのレビューをさせていただきます。
Meizu M3 miniはMediaTek製のSoC、MT6750を使用することで、GPUがMeizu M3 noteと同じMali-T860になり、M3 noteと遜色のないゲーム性能が有るということをアピールしました。
ただ、問題なのが搭載されているFlymeがAlibabaのYunOSを盛り込んだ、Flyme powered by YunOSということです。
これに関しましては後述させていただきますので、結論はもう少し待っていただきたいです。
外観レビューは以下の記事をご覧ください。
前年度のモデルである、Meizu m2 miniとの比較が有ります。
MT6750・・・・うーん・・・。
SoCのパワーを知るにはベンチマーク。
ということで、Antutuベンチマーク、GeekBench4で計測します。
ベンチマークが全てではありませんが、スマートフォンのスペックが数字として現れるので、ひとつの指標になると思います。
ゲームには期待しない方がいいレベル
バトルガールハイスクールやデレステをプレイしてみましたが、「プレイ出来る」という言葉がぴったりでした。
"快適に"プレイは出来ません。
カメラ性能
MXシリーズ、PROシリーズとは違い、取り敢えず撮影するということには向きますが、このカメラを使って景色を撮影したい、食べ物を美味しく撮影したいということには向いていません。
あくまでも低価格の品質。それを超えてくるということはありません。
指紋認証機能はなし
え、2016年度のスマートフォンのこの価格帯で指紋認証機能がない?
今や当たり前の指紋認証機能。
中国ではこの機能を利用した支払がメジャーとなっておりますので、それを考えても何故搭載しなかったのか謎です。
Root権限の取得が出来ない
Flyme powered by YunOSが搭載されていることによって、Root権限の取得が公式の方法では出来ません。
そして、Kingroot、Kingorootを使用することでRoot権限が取得できていた時もありましたが、所詮はいたちごっこで、塞いで突破されての繰り返しです。
記事執筆時の最新のベータ版であるFlyme 5.6.9.20 betaではRoot権限の取得が出来ませんので、Root権限がほしい方には残念なお知らせとなります。
総評
前年度のMeizu m2 miniから考えると、進化は見受けられます。
しかし、前年度のモデルより進化するのは当然であり、このことが評価の対象となっている時点で、察しの良い方は全て把握できるでしょう。
もちろん、価格から考えれば十分な性能を持っているかもしれませんが、価格から考えた性能を超えることはなく、落ち着いているスマートフォンとなります。
攻めの姿勢が見えない保守的なスマートフォンで、競合他社が価格以上の動きを求めているのに対し、何だこれは。
Flyme powered by YunOSが搭載されているのは提携の関係上仕方がないですが、指紋認証機能がないというのは言い逃れできません。
一度保守的な行動に出ると、攻めの姿勢を続けている競合他社に追い抜かれるのは時間の問題で、この行動はXiaomiが"たった1度"起こしたことでシェアが減少し、今も苦戦を強いられております。
生き残りをかけていくには、攻めの姿勢を続けないといけません。
競合他社がゲームに強いQualcomm製SoCのSnapdragonを搭載し始め、今やメジャーとなっている市場で、MediaTek製のSoCを搭載したスマートフォンをリリースすることは攻めの姿勢かもしれません。
昔はQualcomm製のSoCを搭載するとどうしても価格が高くなってしまうという観点から、MediaTek製のSoCを搭載することによって、低価格高スペックなスマートフォンをリリースしていました。
ということを踏まえると、Snapdragonを搭載したスマートフォンより、MediaTek製SoCを搭載したスマートフォンの方が安くないとおかしいです。
しかし、Snapdragonを搭載したスマートフォンと同価格という現実。
Meizuの残念な所がふんだんに見えてしまったMeizu M3 miniです。
このスマートフォンはグローバル展開していませんので、Root権限を取得し、リージョンIDを変更して国際版のROMを焼くといったことも出来ませんので、中国国外の人がお遊びで使うのにも向いておりません。
アップグレード版のMeizu M3sがある今、これをわざわざ選んで購入する意味は無いでしょう。