Dimensity 1080のAnTuTu Benchmark v9とGeekbench 5の性能が判明

Dimensity 1080のAnTuTu Benchmark v9とGeekbench 5の性能が判明

2022年10月28日
注:当サイトは広告およびアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

中国市場向けのRedmi Note 12 Pro系列が初搭載したMediaTekのDimensity 1080(型番: MT6877TT)のAnTuTu Benchmark v9とGeekbench 5の性能が判明しました。

 

今回の性能はあくまでもピーク時のものを表しており、発揮できる性能の安定性や、消費電力あたりの性能を考慮していないことは注意してください。また、同時に、通信の安定性に関しても考慮していませんので、あくまでも製品のピーク時の性能で比較していることを理解してください。

 

Dimensity 1080は2022年10月に発表された非常に新しい製品で、MediaTekはDimensity 920の後継製品と公式に発表しています。名称が近いDimensity 930が2022年5月に発表されていますが、こちらは残念ながら単独の製品として成立しています。

 

Dimensity 1080の主な仕様は、製造プロセスがTSMC 6nm N6、CPUは2.60GHzのCortex-A78を2基、2.00GHzのCortex-A55を6基の2+6構成、GPUはMali-G68 MC4を採用し、動作周波数は不明です。

 

CPUはCortex-A78とCortex-A55を組み合わせており、動作周波数はDimensity 920と比較してbig側のCortex-A78が0.1GHz上昇しました。

 

GPUはMali-G68 MC4を採用していますが、動作周波数は現在では不明です。Kernel Sourceを見ていないので確たる証拠があるわけではありませんが、発揮された性能を鑑みると従来製品の950MHzと同じ可能性が高いと考えています。

 

プロセス技術はTSMC 6nm N6を採用しており、6nmプロセスで製造された製品です。こちらに関しては従来製品と同じ製造プロセスなので、この部分による差は発生しにくいと考えています。

 

Dimensity 1080を搭載したRedmi Note 12 ProのAnTuTu Benchmark v9の性能は、CPU性能が142,524点、GPU性能が133,457点、MEM性能が100,246点、UX性能が137,978点で、総合性能は514,205点となりました。

 

Dimensity 920と比較すると、CPU性能はわずかに優位、GPU性能はわずかに劣位となり、正直なところ、そんなに大きな性能差はありません。なので、まとめでも記載しますが、性能だけを考えるのであれば、どちらを選んでも問題ないと思います。

 

CPU性能でわずかに優位に立った理由は、Cortex-A78の動作周波数が向上したからですが、積載数は「2」、動作周波数の向上幅は「0.1GHz」と微々たる差に収まる範囲なので、大きな差は発生しませんでした。

 

GPU性能でわずかに劣位に経った理由は、動作周波数が同じ可能性を秘めています。その理由は、この性能はDimensity 920を搭載した製品でも発揮する場合があるためです。

 

Geekbench 5におけるDimensity 1080の性能は、シングルコア性能が834点、マルチコア性能が2,321点となりました。記事執筆時は755点、2,209点を採用していましたが、後日検索し直してみると、より優れた性能を発見したため、こちらを新たに採用して比較を行います。

 

シングルコア性能は2.60GHzのCortex-A78の性能を表しており、2.50GHzのCortex-A78を採用したDimensity 920よりも高い性能を発揮しました。しかし、多くの場合は750点から770点を算出するため、何が原因なのか不明ですが現在は安定度が低い状態にあります。

 

マルチコア性能はCortex-A78とCortex-A55の総合的な性能を表しており、動作周波数の差はCortex-A78だけなので性能差がほどんど発生しませんでしたが、Dimensity 920をわずかにですが上回ることに成功しました。しかし、こちらも2,200点から2,250点を算出する場合があり、Dimensity 900よりも低い場合があるので、やはり安定度が低い状況にあります。

 

安定度が低い要因は「最適化不足」が考えられますが、Redmi Note 12 Pro系列は販売をすぐそこに控えている製品なので、この点はあまり考えられません。それらを考慮するとXiaomi製品が共通して搭載しているMIUIが影響を及ぼしていると考えるのが最善ですが、こちらも確たる証拠がないので安定度が低い理由は不明です。

 

Dimensity 1080とDimensity 920は、今回の比較ではほとんど差がないことがわかったので、性能を考慮して搭載製品を選ぶ必要はないと思います。そのため、従来製品や後継製品という点を考慮する必要はなく、自分が製品に何を求めているかで選ぶといいでしょう。

 

ただ、「性能」には差はありませんが、対応する画素数には差があり、前者は2億画素、後者は1億800万画素なので、高画素なカメラを搭載した製品が欲しい場合はDimensity 1080を搭載した製品を購入するべきだと思います。しかし、この高画素の差は「あくまでも対応している」だけなので、撮影された写真がキレイなのかどうかは、チューニングを的確に行えたかどうかによって変わります。

 

Dimensity 1080を搭載した製品が日本市場へ参入するかという点に関しては、少し前であれば可能性はまったくないと言えましたが、最近はDimensityを採用した製品がいくつか発表されているので、可能性としてはなくはないと思います。

 

そのため、Dimensity 1080に関しては存在は知っている必要のある製品なので、今回の記事を見て、どの程度の性能を有しているのか理解していて欲しいと思います。