中国のUNISOC (紫光展鋭)は現在、UNISOC T820が最上位とミドルレンジ帯向けの製品しか開発できていない状況にありますが、シェアを広げるべくフラッグシップ級の製品を開発中であることが判明しました。
中国の情報通の@定焦数碼氏によると、UNISOCは新製品のテープアウトを済ませ、その新製品の仕様はTSMCの4nmプロセスに基づくN4、CPUがCortex-X1とCortex-A78、Cortex-A55を組み合わせた構成を採用し、GPUがMali-G715 MP7となっているようです。
現在における同社の最上位製品はUNISOC T820で、同製品はTSMCの6nmプロセスに基づくN6を使用しているため、開発中の新製品は更に微細化の進んだ先端プロセスを採用することになります。
新製品の気になる性能は、同氏はQualcommのSnapdragon 888 5G相当としています。確かにこの新製品はCPUが同じコアで、基本的には1+3+4構成になると思うので同じ性能を発揮すると考えるのは普通です。
新製品と同等の性能を有するSnapdragon 888 5Gを搭載した製品としてGalaxy Z Fold3とZ Flip3が浮かびます。これらは最新のAndroid 14アップデートが提供されているので、UNISOCの新製品も決して見劣りしません。
そんなUNISOCの新製品ですが、懸念点がまったくないわけではありません。基本的に製造プロセスが微細化すると価格が高価になる傾向にあるため、N6で製造する製品よりもN4で製造した製品のほうが高価になります。
また、UNISOCから製品を供給する中小規模の企業はQualcommと比較して価格が安く、供給も容易なMediaTekからの供給を選択する場合が多いです。そのため、UNISOCはMediaTekの既存製品よりも優れた性能を有し、供給しやすい価格設定をする必要があります。