AnTuTuはARMベースSoCとなるApple M1のAnTuTu Benchmark v8スコアを公開しました。
Apple M1はARM CPU IPやGPU IPを利用して開発されたPC向けSoCとなっており、MacBook ProやMacbook Air、Mac miniが初搭載製品として発表されています。主な性能としてTSMC製5nm EUV製造プロセス、4+4のオクタコアCPU、8コアのGPU、16コアのNeural Engine(11 TOPS)、160億のトランジスター数となっています。CPUは高性能コアの「Firestorm」と高効率コアの「Icestorm」が各4コアの8コア(オクタコア)構成になっており、CPUの周波数は「Firestorm」が3204MHz(3.2GHz)から600MHz(0.6GHz)で最大消費電力は13749mW(約13.7W)、「Icestorm」は2064MHz(2.0GHz)から600MHz(0.6GHz)で最大消費電力は1294mW(約1.3W)となっています。
一方、GPUは最大8コアでMacbook Airの下位モデルは1コア無効化されて7コアとなっています。周波数は最大1278MHzから最小396MHzとなっています。
ストレージ512GBのMacbook Airで計測されているため8コアGPUのモデルとなっています。AnTuTuによるとMacbook AirでiOSアプリを実行すると第3世代のiPad Pro 12.9インチ WiFiモデル(Apple A12X Bionic搭載)に偽装され、システム(OS)はiOS 14.2として識別されることを明らかにしています。
気になる性能はCPU性能が282,265点、GPU性能が538,944点、MEM性能が189,921点、UX性能は108,113点で総合性能は1,119,243点(約112万点)という結果になりました。Apple M1はPC向け、第4世代のiPad Pro 12.9インチが搭載しているApple A12Z BionicはiPad向けとなっているので直接の比較は適していませんが、CPU性能は約51%、GPU性能は約44%、MEM性能は約65%、UX性能は約39%、総合性能は約48%の成長となっています。ちなみに第4世代のiPad Pro 12.9インチは内蔵ストレージ 512GBを搭載しています。
Apple M1を搭載したMacbook ProやMacbook Pro、Mac miniはAnTuTu Benchmark v8を何も設定を触ることなくインストールできるデバイスとしては初めて100万点を超えたのではないでしょうか。AppleはこのApple M1の開発を次期iPad Pro製品に搭載される見込みのApple A14X Bionicに活かすと考えているので、iPhone向けSoCは省電力性能を強化、iPad向けMacBookやMac製品向けSoCは性能強化というように開発がわかれていくでしょう。実際、Apple A14 Bionicを搭載したiPhone 12シリーズ製品はApple A13 Bionicを搭載したiPhone 11シリーズ製品と比較して大幅に性能が伸びることはなかったので多くの人が落胆していましたが、バッテリーの持ちに関しては高い評価が出ています。