2016年度のProシリーズスマートフォン、Meizu Pro 6のレビューを行いたいと思います。
Meizu Pro 6はSoCに10コアプロセッサーのMediaTek製 Helio X25(MT6797T)を採用したことにより、注目を集めました。
他にも、リングフラッシュを10個にしたり、3D Touchに対応させたり進化が見えるスマートフォンとなっております。
外観レビューは以下の記事をご覧ください。
10コアプロセッサー、Helio X25(MT6797T)のパワーは?
Meizu Pro 6は発表(4月16日)時点では世界初の10コアプロセッサー搭載スマートフォンとなっておりました。
しかし、今現在ではLeEcoのスマートフォンもHelio X25(MT6797T)を搭載していたり、AOSPにしたりしてコストを抑えている新興メーカーですらHelio X20(MT6797)という10コアプロセッサーを採用するなど、特別すごいスマートフォンではなくなっております。
MediaTek製のSoCはQualcomm製のSoCと比べて、3D処理を苦手としており、昨今の3D処理を使用するゲームには向いていない物となっております。
という訳で、ベンチマークといえばこのアプリ!という3つで計測してみます。
Antutu Benchmarkが3D処理に重きをおいたベンチマークで、GeekBench3は処理性能に重きをおいているベンチマークで、3D MarkはAntutuと同じように3Dに重きをおいているベンチマークとなっております。
ベンチマークが全てではありませんが、スマートフォンのスペックが数字として現れるので、ひとつの指標になると思います。
ゲームは何処まで出来るのか
日本では、ベンチマークアプリとして音ゲーが流行っておりますので、デレステで試してみます。
最初にデレステ側が使用しているスマートフォン向けの設定をオススメしてくれますが、Meizu Pro 6では「2D軽量」になりました。
Meizu m3 noteと同じように、通常プレイ(3D軽量 + タップ音あり)、最低限プレイ(2D軽量 + タップ音なし)でプレイしてみます。
通常プレイではお願いシンデレラProをプレイしてみます。
最低限ではMASTERをプレイします。
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通常プレイ(3D軽量 + タップ音あり)
問題無いですね。
快適にプレイすることが出来ました。
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最低限プレイ(2D軽量 + タップ音なし)
こちらも問題無いです。
ただ、iPhoneでの快適さに比べるともたつきがあるように感じます。
やはりゲームをするならばiPhoneという風になります。
ゲームプレイ後の発熱
40℃前後をウロウロしています。
持った時にも熱をほんのり感じる程度でしたので、火傷をするということは無さそうです。
上手に排熱できている証拠です。
カメラ性能
2116万画素のカメラに加えてリングフラッシュを10個に増やす等カメラにこだわりを感じます。
景色、食べ物とそつなくこなします。
カメラにはこだわりがなく、とにかく綺麗に撮りたいといった方に非常におすすめです。
通信・通話
Meizu m3 noteと同じように、FDD-LTE B1(2100) / B3(1800) / B7(2600)、TDD-LTE B38(2600) / B39(1900) / B40(2300) / B41(2500)に対応しておりますが、VoLTEやCA(キャリアアグリゲーション)を体感することが出来ませんでした。
Meizu Pro 5がベースバンドの更新によってCAに対応したので、恐らくMeizu Pro 6も直に対応すると考えられます。
指紋認証
指紋認証を搭載したスマートフォン出してから2年。
流石にこの辺は抜かり無くしっかりと認証してくれます。
3D Touch
対応アプリが少ないせいか、あまり恩恵を授かることが出来ません。
そして、iPhoneの3D Touchですら全く使用していませんので、この機能を全面に推すというのはないかなーと。
総評
Meizu Pro 6からの進化は多少見受けられるものの、これに2499元払うとなると、その価値はないのではないかなと思います。
もちろん、カメラ性能の向上や10コアプロセッサー搭載という面はしっかり評価すべきですが、同じ価格帯に処理性能はもちろんのこと、3D処理も完璧というSnapdragon820を搭載したスマートフォンが数々有ります。
そして、Snapdragon820は付加機能として4G + 3Gのデュアルスタンバイが可能になっており、2G停波が進んでいる地域にとっては非常に頼もしい付加機能となっています。
と考えると、Meizu Pro 6は何が出来るかというとカメラでアピールしないといけません。
が、カメラの面においてはライカレンズ2個を使用したHuawei P9がありますし、ブランドで見てもHuaweiの方が格段に上です。
しかも、Meizu Pro 6と同じSoC(Helio X25)を搭載したスマートフォンにLeEcoのLe 2 Proは1499元と1000元近く差が生まれております。
1000元は日本円にすると16,000円ほどで、一般の国民からすると非常に大きい差で、ほぼ同じ性能のスマートフォンが半額程度で買えるわけです。
Le 2 Proにはリングフラッシュ10個や3D Touchが搭載されておりませんが、トレンドではないものに1000元追加で払えるかと言われたらそうではありません。
さらに、外部SDカード非対応というMeizu MX4 Proへ先祖返りか?というような機能を削るという意味不明なこだわり。
NFCも非対応で、mPayという決済サービスを展開しているのにもかかわらず、機能重視のProシリーズで非対応って何を考えてるの?となります。
この機能は、モバイルsuicaの様に利用する人は頻繁に利用する、全く利用しない人は存在すら知らないというもの同じですが、mPayに限っては自社のサービスとして名乗っていますので、Felicaとは事が変わってきます。
5.2インチというサイズ感は非常に素晴らしいですが、同じサイズでカメラ性能やブランドで遥か上を行くHuawei P9がありますし、Helio X25(MT6797T)を体感したいのであれば1000元安いLe Pro 2を買えばいいですし、4G + 3Gのデュアルスタンバイ機能が欲しければSnapdragon820を搭載したスマートフォンを買えばいいのです。
ここにどうやって2499元という高価な未完成品が食い込めるのでしょうか?Meizuというブランドが好きな人しか購入できません。
市場開拓という面においても、先程述べたように、突出した機能を持ち合わせているスマートフォンを買ってしまいますし、この中途半端なスマートフォンでは新たなユーザーが増えるということは見込めません。
そして、Meizu製スマートフォンでは唯一のAndroid 6.0 Marshmallow搭載スマートフォンですが、Flyme 5という既に販売されているものに使用されているUIを用いていますので違いは一切ありません。
細かな違いというのも体感しませんし、いっそAndroid 5.1 Lollipopで出したほうがいいのではないかという程です。
というのは、Meizu製スマートフォンのAndroidのバージョンアップと同時にFlyme 6を発表すれば更に盛り上がると思うのです。
Androidのバージョンアップはしていますが、中身に違いが全く無いスマートフォンって不思議ですね。
HuaweiのEMUIですら、4.1としっかり刻んでおります。世界的に伸びる企業との違いが明確になっております。
適当に作った感が否めないスマートフォンに2499元の価値は一切ありません。
1499元でようやく価値が見えてくるでしょう。ライバル企業のLeEcoが1699元で出していますので、それより安くか同じにしないとMeizuというブランドで戦うには完敗です。
取り敢えず、今買おうと思っている方は値崩れした時に購入するのがベストでしょう。少なくとも、2499元で換算された状態で買うのは一切オススメできません。
新色のレッド・ローズゴールドで巻き返しを図ろうとしているのかわかりませんが、この程度のカラーはどこでも提供しておりますので、最初に発表していたほうが売れていたのではないでしょうか?
こちらのカラーも限定販売という形をとっていませんので、値崩れした頃に購入できるでしょう。
今現在オススメできるのは、前モデルのMeizu Pro 5と4100mAhを搭載したMeizu m3 noteです。
少なくとも、Meizu Pro 6は余程の物好きでないかぎり購入しないほうがいいでしょう。