MediaTekがDimensity 7300と7300Xを発表、後者はフリップ型デバイス向け

MediaTekがDimensity 7300と7300Xを発表、後者はフリップ型デバイス向け

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台湾のMediaTekは2024年5月30日、新製品としてDimensity 7300とDimensity 7300Xを発表しました。名称の末尾についている「X」はたったひとつの違いのみで、基本的な仕様に変化はありません。

 

名称 Dimensity 7300 Dimensity 7300X
CPU 4x Cortex-A78

4x Cortex-A55

4x Cortex-A78

4x Cortex-A55

動作周波数 2.50GHz

2.00GHz

2.50GHz

2.00GHz

GPU Mali-G615 MC2 r1p3 Mali-G615 MC2 r1p3
動作周波数 1047MHz 1047MHz
NPU/DSP NPU 655 NPU 655
カメラ 12-bit Imagiq 950 HDR-ISP

2億画素

12-bit Imagiq 950 HDR-ISP

2億画素

リフレッシュレート 120Hz (WFHD+)

144Hz (FHD+)

120Hz (WFHD+)

144Hz (FHD+)

(Dual Display Support)

エンコード/デコード Encode: 4K@30fps H.265, H.264

Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9

Encode: 4K@30fps H.265, H.264

Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9

RAM LPDDR5 (6400Mbps)

LPDDR4X (4266Mbps)

LPDDR5 (6400Mbps)

LPDDR4X (4266Mbps)

ストレージ UFS 3.1 UFS 3.1
Wi-Fi Wi-Fi 6E (11ax) Wi-Fi 6E (11ax)
Bluetooth Bluetooth 5.4 Bluetooth 5.4
位置情報 GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC
通信 統合: 5G Modem

Sub-6GHz

(DL: 3.27Gbps)

統合: 5G Modem

Sub-6GHz

(DL: 3.27Gbps)

充電規格 - -
製造プロセス TSMC 4nm N4P TSMC 4nm N4P
型番 ? ?

Dimensity 7300と7300Xの主な仕様は、製造プロセスがTSMC 4nm N4P、CPUは最大2.50GHzで動作するCortex-A78と最大2.00GHzで動作するCortex-A55を4+4構成で採用、GPUは最大1047MHzで動作するMali-G615 MC2、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、モバイルデータ通信は5G NRに対応しています。

 

MediaTekはこの両製品をDimensity 7050と比較して、CPUの消費電力が最大25%も削減できているとしています。また、GPUの性能は競合他社の製品と比較してFPSが20%も高速化し、電力効率も20%も向上したと発表しました。

 

CPUはミドルレンジ帯ではおなじみの高性能なCortex-A78と高効率なCortex-A55を組み合わせていますが、その中でもより性能が高くなる4+4構成を採用しています。

 

GPUは最大1047MHzで動作するMali-G615 MC2を採用しており、MediaTekの製品で1000MHzを超えるのは当たり前になってきました。この数値は発熱が起きやすくなるひとつの壁となっていましたが、製造プロセスが微細化することで高性能化が求めやすくなったことによってその壁を打ち破った気がします。

 

Dimensity 7300とDimensity 7300Xの大きな違いは、前者が通常のスラブフォン向けなのに対して、後者がデュアルディスプレイを採用したフリップ型デバイス (例: Galaxy Z Flip)に特化しています。同社はこの製品によって採用する企業は革新的なデザインと技術に対する市場の需要の高まりに対応しやすくなったと発表しています。

 

Dimensity 7300とDimensity 7300Xを初搭載した製品は9月3日現在、既に発表されています。前者は国際市場向けのOPPO Reno12 5GとReno12 Pro 5G、後者は中国市場向けのmoto razr 50です。

 

日本市場でこれらの製品が投入されるか不明ですが、Dimensityを採用する土壌が完全にできあがっているため、新製品のDimensity 7300と7300Xを搭載した製品が投入されても不思議ではないでしょう。

 

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