UNISOCがT615を発表、CPUに最大1.82GHzで動作するCortex-A75を搭載した製品

UNISOCがT615を発表、CPUに最大1.82GHzで動作するCortex-A75を搭載した製品

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中国のUNISOC (紫光展鋭)は2024年7月2日、4G LTEに対応した新製品のT615を発表しました。まだ新興国では5G NRに非対応な都市や場所あるため、こういった製品は一定の需要があります。

 

名称 T616 T615 T612
CPU 2x Cortex-A75

6x Cortex-A55

2x Cortex-A75

6x Cortex-A55

2x Cortex-A75

6x Cortex-A55

動作周波数 1.95GHz

1.82GHz

1.82GHz

1.61GHz

1.82GHz

1.82GHz

GPU Mali-G57 MP1 Mali-G57 MP1 Mali-G57 MP1
動作周波数 750MHz 850MHz 650MHz
NPU/DSP - - -
カメラ 1億800万画素 or 3200万画素(ZSL) or 2x1600万画素 1億800万画素 or 4800万画素(ZSL) or 2400万画素(ZSL) or 1600万画素+800万画素 or 1600万画素+800万画素+800万画素 1億800万画素 or 3200万画素(ZSL) or 1600万画素+800万画素
リフレッシュレート 60Hz (FHD+)

90Hz (HD+)

60Hz (FHD+)

120Hz (HD+)

60Hz (FHD+)

90Hz (HD+)

エンコード/デコード Encode: 1080p@60fps

Decode: 1080p@60fps

Encode: 1080p@60fps

Decode: 1080p@60fps

Encode: 1080p@60fps

Decode: 1080p@60fps

RAM LPDDR4X (1866MHz) LPDDR4X (1866MHz) LPDDR4X (1600MHz)
ストレージ UFS 2.1

eMMC 5.1

UFS 2.2

eMMC 5.1

UFS 2.2

eMMC 5.1

Wi-Fi Wi-Fi 5 (11ac) Wi-Fi 5 (11ac) Wi-Fi 5 (11ac)
Bluetooth Bluetooth 5.0 Bluetooth 5.2 Bluetooth 5.2
位置情報 GPS, GLONASS, Galileo, BeiDou GPS, GLONASS, Galileo, BeiDou GPS, GLONASS, Galileo, BeiDou
通信 統合: 4G Modem

LTE Cat.7

(DL: 300Mbps / UL: 100Mbps)

統合: 4G Modem

LTE Cat.7/13

(DL: 300Mbps / UL: 150Mbps)

統合: 4G Modem

LTE Cat.7

(DL: 300Mbps / UL: 100Mbps)

充電規格 - - -
製造プロセス TSMC 12nm 12FFC TSMC 12nm 12FFC TSMC 12nm 12FFC
型番 ums9230 ums9230 ums9230

新製品のT615の主な仕様は、製造プロセスがTSMC 12nmプロセスに基づく12FFC、CPUは最大1.82GHzで動作するCortex-A75を2基と最大1.61GHzで動作するCortex-A55を6基の2+6構成、GPUは最大850MHzで動作するMali-G57 MP1、RAM規格はLPDDR4X、内蔵ストレージ規格はUFS 2.2、モバイルデータ通信は4G LTEに対応します。

 

今回発表されたT615はよくわからない製品になっており、CPU性能はT612よりも低く、GPU性能はT616よりも高く設定されています。これではこれらの製品の名称を見ても優劣がわかりにくく、混乱が生じてしまいます。

 

その他の部分でもよくわからない状態を引き起こしており、カメラの性能に注目するとT616は3200万画素での撮影がゼロシャッターラグになりますが、T615は4800万画素での撮影に対応しています。さらに、T616はデュアルカメラ構成までサポートしていますが、T615はトリプルカメラ構成までサポートしており、完全にT615が上回る状態になってしまっています。

 

また、対応するリフレッシュレートにおいてはFHD+環境ではT615はT616とT612と同じく60Hzまでですが、HD+環境では90Hzよりさらに高い120Hzに対応しており、より優れた体験を提供することができるようになっています。

 

T615を搭載した製品に魅力を感じたときにはぜひこのサイトを見ていただいて、近い名称のT616とT612の違いを正しく理解してほしいです。

 

T615は8月12日現在、itel P65が初搭載しています。itel (アイテル)は日本ではあまり馴染みのないメーカーですが、アフリカ市場や東南アジア市場では絶大な人気を誇り、高いシェアを獲得しています。このitelはTECNOやInfinixを手掛けるTranssionのブランドのひとつでもある、と表現すればわかりやすいでしょうか。

 

このitel P65はフィリピン市場で販売されており、価格は8GB+128GBモデルが4,599ペソ (約12,000円)に設定されています。同製品は内蔵ストレージを利用したRAM拡張に対応しており、4GB+4GBで最大8GBになると宣伝されています。

 

ちなみに、上位版として12GB+256GBモデルを用意しています。この12GBのRAMは6GBとRAM拡張によって得られた6GBを足したもので、itelは本当のRAM容量とRAM拡張による容量を足した数値を記載することが多いです。こういった数字の使い方も高いシェアを獲得したひとつの戦略なのかもしれません。

 

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