Exynos 1380とSnapdragon 695 5G、Snapdragon 480+ 5G、Dimensity 700の性能を比較

Exynos 1380とSnapdragon 695 5G、Snapdragon 480+ 5G、Dimensity 700の性能を比較

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2023年H1 (1月-6月)に発表された、日本市場における主要なミドルレンジ製品が搭載しているExynos 1380とSnapdragon 695 5G、Snapdragon 480+ 5G、Dimensity 700の性能を比較します。

 

オープンマーケット向けに発表されていない製品が搭載しているSoCもありますが、中古ショップなどで購入することも出来ますので、今記事におけるSoCの性能比較を上手に参考にしていただければと思います。

 

2023年上半期の主流なミドルレンジ製品が搭載したSoCのスペックを上にまとめました。もちろん、SoCはこの他に重要なスペックがありますが、今回は性能を比較するのでこういった表になっています。

 

製造プロセスは基本的に数字が低いほうがいいですが、最近はTSMCのほうが技術力が高い傾向にあるため、例え同じ5nmプロセスであってもTSMCで製造した製品のほうが性能が高い場合があります。それを考えると、数値の低いExynos 1380とSnapdragon 695 5Gが優位に立ちます。

 

CPUは製造プロセスと異なって数字の大きい方が後に発表されているので性能が高く、今回の場合ではCortex-A76よりもCortex-A78のほうが優れます。それを考慮すると、Exynos 1380とSnapdragon 695 5Gが製造プロセスと同様に優位に立ちます。

 

GPUはQualcommの製品はAdreno、現時点のサムスン電子のミドルレンジ製品はMali、その他の企業の製品もMaliを採用していることが多いです。AdrenoとMaliの直接比較はできませんが、AdrenoとAdreno、MaliとMaliの場合は基本的に数字の大きい方が性能が高くなっています。しかし、Mali GPUの場合はコア数が性能に関わっており、世代の古いMP4と世代の新しいMP2の場合は前者のほうがいい場合があります。

 

RAM規格はLPDDR4Xの次の規格がLPDDR5で、こちらが進化するとデータレートが高くなる傾向にあるため、基本的にCPUの性能よりもGPUの性能が高くなります。この場合、Exynos 1380が優位に立ちますが、残念なことにGalaxy A54 5GはLPDDR5 RAMではなくLPDDR4Xを搭載しているので、その他の製品とあまり変わりありません。

 

 

AnTuTu Benchmark v10 OBにおける総合性能は、Exynos 1380が628,121点、Snapdragon 695 5Gが459,621点、Snapdragon 480+ 5Gが418,668点、Dimensity 700が417,720となりました。

 

総合性能ではExynos 1380が飛び抜けて高く、その後ろにSnapdragon 695 5G、さらにその後ろにSnapdragon 480+ 5GとDimensity 700が並んでいる状態です。Exynos 1380を搭載した製品のGalaxy A54 5Gは現時点ではオープンマーケット向けに販売されていないので、入手するにはやや工夫する必要がありますが、間違いなくこの中で一番優れた製品です。

 

CPU性能はExynos 1380が一番高く、Snapdragon 480+ 5Gが一番低い結果になりました。この要因として考えられるのは、Exynos 1380は最大2.40GHzのCortex-A78を4基と最大2.00GHzのCortex-A55を4基採用しているためです。Snapdragon 480+ 5Gがこの中で一番低い性能を発揮したのは、高効率なCortex-A55を6基採用し最大1.90GHzに設定されているためです。

 

GPU性能はCPU性能と同じくExynos 1380が優れ、Snapdragon 480+ 5Gが劣る結果となりました。AdrenoとMaliは上にも記載した通りスペックだけで比較できませんが、今回の比較によって最大949MHzのMali-G68 MP5は最大840MHzのAdreno 619よりも優れていると判明しました。また、最大650MHzのAdreno 619は最大950MHzのMali-G57 MC2よりも劣っているとも判明しました。

 

 

Geekbench 6はAnTuTu Benchmarkと異なって基準点があり、2022年1月に発表されたPC向けのIntel Core i7-12700のシングルコア性能が2,500点に設定されています。

 

シングルコア性能は最大2.40GHzのCortex-A78を搭載したExynos 1380が1,026点でこの中では最高点、最大2.20GHzのCortex-A76を搭載したDimensity 700が736点でこの中では最低点となりました。Snapdragon 480+ 5GとDimensity 700は同じくCortex-A76を採用し、最大2.21GHzと最大2.20GHzで0.01GHzの違いしかありませんが、前者のほうが高い性能を発揮しました。

 

マルチコア性能は総合的なCPU性能を計測しており、最大2.40GHzのCortex-A78を4基と最大2.00GHzのCortex-A55を4基の4+4構成を採用しているため、この中で最高点を発揮することに成功しました。しかし、Snapdragon 480+ 5Gは最大1.90GHzのCortex-A55を6基採用したため、最大2.00GHzに設定されているDimensity 700よりも低い性能を発揮しました。

 

 

今回の比較ではExynos 1380、Snapdragon 695 5G、Snapdragon 480+ 5G、Dimensity 700の順番で性能が優れました。特にExynos 1380は他の製品とまったく違う性能を発揮しており、圧倒的に優れていると言ってもいいでしょう。

 

そのため、より快適に使用したいと思っているのであればExynos 1380を搭載した製品を購入したほうがいいでしょう。次点でSnapdragon 695 5Gを搭載した製品で、これらの製品はCPUにCortex-A78を採用しているため、快適な操作が提供されるでしょう。

 

Snapdragon 480+ 5GとDimensity 700を搭載した製品は購入しないほうがいいというわけではなく、価格と相談して購入したほうがいいということになります。その中でもカメラの性能を優先するのであればISPの性能が優れているSnapdragon 480+ 5Gを購入したほうがいいですが、特に目的を決めていないのであれば予算を先に決めて、その予算内の製品を選んだほうがいいと思います。

 

 

または、Exynos 1380やSnapdragon 695 5Gを搭載した製品は以下のキャリアから契約・購入することが出来ます。詳しい情報は以下のリンクをご覧ください。