Lenovo傘下のMotorolaがSnapdragon 7 Gen 1を搭載した新製品を開発していることがGeekbenchから明らかになりました。Snapdragon 7 Gen 1は中国市場向けのOPPO Reno8 Proが初搭載したSoCですが、あまり採用数が多くないことで悪い意味で有名です。
Geekbenchに掲載された情報によると、製品名(型番)はXT2323-3、OSはAndroid 13、RAM容量は12GBとなっています。Geekbench 6での計測結果は、シングルコア性能が1,019点、マルチコア性能が2,545点です。
開発コード名はlynkcoで、これは中国自動車大手Geelyが展開する自動車ブランドのLynk & Coから来ているのではないかと考えています。同ブランドの製品にはMeizuが開発した車載OSのFlyme Autoが搭載されており、何だか縁を感じます。
開発コードを利用して詳しく見ると、CPUは2.40GHzを1基、2.36GHzを3基、1.80GHzを4基の1+3+4構成で、GPUはAdreno 644を採用しています。このスペックに合致する製品はSnapdragon 7 Gen 1のみなので、MotorolaがSnapdragon 7 Gen 1を搭載した新製品を開発していることがわかります。
今回の開発中の新製品のRAM容量が12GBなのを考えると、Motorolaの製品群の中ではやや上位に位置するのではないかと考えています。Motorolaは「g」や「e」などのシリーズを展開していますが、上位の製品は「edge」が付与されているので、今回の製品は「edge」シリーズに属する可能性が高いでしょう。
Snapdragon 7 Gen 1はサムスン電子の4nmプロセスに基づく4LPXで製造されたことで難産を極め、多くの製品が搭載を取りやめてSnapdragon 778G 5Gを継続して採用する事象が発生していましたが、ここ最近はHTCが最新製品のU23とU23 proで採用したり、Motorolaが採用を行うなどなにか動きが変わった様子が見受けられます。
これは可能性としてはサムスン電子が4nmプロセスの安定した量産を実現したと発表したことが関係していると思っており、その結果として4nmプロセスで製造したSnapdragon 7 Gen 1の歩留まりが向上し、安定した供給が可能になったので多くの企業が採用できるようになったのではないかと考えています。
Snapdragon 7 Gen 1に前期と後期があるのか不明ですが、初期に採用したOPPO Reno8 ProやXiaomi Civi 2と、HTC U23 proと今回の新製品の性能は、後者のほうが優れている傾向なので、量産が安定して発揮したい性能を問題なく発揮できるようになった可能性があります。