今から約1年前、Snapdragon 480+ 5GとSnapdragon 480 5GのAnTuTu Benchmark v9の計測結果を比較した際、GPU性能に差が殆どないことから「動作周波数が同じではないか」との仮説を立てましたが、今回、motorolaがmoto g62 5Gの仕様を公開し、動作周波数が同じだと判明しました。
Snapdragon 480+ 5Gは名称の通りSnapdragon 480 5Gの性能向上版で、CPUの動作周波数が向上しているのはQualcommの発表やGeekbench 5から明らかになっていました。両製品のCPUは共通してKryo 460を採用し、Cortex-A76を2基、Cortex-A55を6基の2+6構成となっています。
具体的な数値を出すと、Snapdragon 480 5Gは2.04GHz+1.80GHzで、Snapdragon 480+ 5Gは2.21GHz+1.90GHzに設定されているため、Cortex-A76は0.17GHz、Cortex-A55は0.1GHzも上昇していました。
GPUはAdreno 619を採用し、Snapdragon 480 5Gの動作周波数が650MHzに設定され、今回、motorolaが公開した仕様によると、Snapdragon 480+ 5Gの動作周波数も650MHzに設定されているため、CPUの数値は上昇しましたがGPUの数値は据え置きとなりました。
Qualcommの慣例として「+」製品はCPUとGPUの動作周波数が向上する傾向にありますが、Snapdragon 480+ 5GはSnapdragon 480 5GからCPUの動作周波数が向上しただけとなりました。同様の例としてSnapdragon 888 5GとSnapdragon 888+ 5Gがあり、こちらもCPUの動作周波数は向上しましたが、GPUの動作周波数は据え置きの判断が取られました。
CPUの性能はGeekbench 5を基準とすると、Snapdragon 480 5Gのシングルコア性能が505点、マルチコア性能が1,644点で、Snapdragon 480+ 5Gは544点と1,720点です。同じCPU IPを採用しているので目に見えるほどの差を実感する可能性は低いですが、Snapdragon 480+ 5Gが優れているのは事実ですので、購入を迷った場合は素直に「+」版を選ぶと良いでしょう。