SamsungがSamsung Galaxy S20シリーズのKernel Sourceを公開したので、Samsung Exynos 990のGPU周波数の設定値が判明しました。SamsungはCPU、GPUの周波数を公開していないため、Kernel Sourceから得る情報は非常に大事です。
今回はGalaxy S20 5G(SM-G981B)のG981BXXU1ATBM、Galaxy S20+ 5G(SM-G986B)のG986BXXU1ATBM、Galaxy S20 Ultra 5G(SM-G988B)のG988BXXU1ATBMのKernel Sourceを調査しました。明確にいつから切り替わったか不明ですが、Galaxy S20シリーズは直接数値を記載しているのではなく、16進法(Hexadecimal)の値を記載するように変更されています。これによる弊害はわかりませんが、調査するのに時間がかかるので、私としては嬉しくありません。
SM-G988B、SM-G986B、SM-G981BにおけるGPU周波数は、最大832MHzで最小は156MHzとなっています。その次に800MHz、702MHz、572MHz、455MHz、377MHz、260MHz、156MHzと続いています。サーマルスロットリングが発生するのは800MHzから260MHzに設定されています。
ただ、最大周波数は832MHzになっていますが、“gpu_max_clock”は800MHzに設定されているため、通常で利用できる最大の周波数は800MHzとなり、これは先日実機によって明らかになった周波数と同じです。カスタムカーネルなどで制限を撤廃すれば832MHzでの使用が可能になります。
そして、dtsファイルはexynos990.dtsではなく、exynos9830.dtsが置かれているため、Exynos 990はExynos 9830として開発を進めていたことがわかります。
今回の解析にはHexadecimal Dictionaryを利用し、テキスト比較にはdifff《デュフフ》を利用しました。