台湾企業のHTCがGioneeとMeizuを相手取り北京知識産権法院で提訴を行い、両企業から合計で650万元の損害賠償を受け取っていることが明らかになりました。
HTCによるとGioneeのGionee M6、MeizuのMeizu M5 NoteがHTCの所有する特許を不当に利用し販売を行ったようです。HTCの所有する特許は金属製のアンテナ構造を備えたモバイルデバイスで、一般に金属製のボディを採用していると放射信号が弱まりますが、この技術を用いるとその問題を解決することが出来ます。
北京知識産権法院はGioneeのGionee M6とMeizuのMeizu M5 Noteが「モバイルデバイス」No. 201310032515.5の発明特許権を侵害し、被告に侵害を停止し、経済的損失と合理的な費用を保証するように言い渡しました。
HTCはMeizuに経済的損失に対して3000万元(約4億7,500万円)を補償するように要求し、一方でGioneeには2400万元(約3億8,000万円)の経済的損失の保証と、160万元(約2,500万円)の一時的な保護期間における使用量を支払うように言い渡しました。しかし、HTCの要求に対してGioneeとMeizuは非侵害を主張し、更に原告に対して補償額が高すぎると主張しました。
HTCは特許侵害の補償額に関して、特許法第65条に規定されている侵害利益に応じて補償額を決定するように要求し、具体的な計算方法は「MeizuまたはGioneeの4G携帯電話販売数x当該機種の割合x当該機種の平均価格x利益率x特許の貢献度」となっています。しかし、北京知識産権法院はHTCが要求する際に用いた計算方法は推定によるところが大きいとして、Meizuに対して300万元(約4,700万円)、Gioneeに対して260万元(約4,100万円)を支払うように命じ、更にGionee M6は特許申請された後に販売されていることを考慮し、40万元(約630万円)の一時的な保護期間における使用量を支払うように命じました。そして、弁護士報酬の50万元(約800万元)と合計しHTCは650万元(約1億円)の賠償金を受領しました。
HTC、Meizu、Gioneeとレベルの低い企業の争いとなっているので、このニュースは残念ながら中国国内でも全く盛り上がりを見せていません。更にHTCが特許侵害を主張した機種はいずれも2016年に発表し販売された製品ということで、ネームバリューもなく弱いニュースとして裁判記録やネットに残るでしょう。