GeekbenchのSamsung Exynos 9820を見てみる

GeekbenchのSamsung Exynos 9820を見てみる

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本日Geekbenchに姿を表したSamsung Exynos 9 Series 9820を少しだけ見てみようと思います。今回注目するのはシングルコア性能とマルチコア性能ではなく「Identifier」という項目を見ます。この項目はプラットフォームやプロセッサーがどのような関係性を持っているのかわかる項目で、従来機や後継機の関係性を判明するのに使用します。

何故その項目を見るかと言うと、Exynos 9820のシングルコア性能は申し分ないですがマルチコア性能は“2019年”のフラッグシップモデル向けと呼べない性能になっており、一部メディアでは偽物ではないかと言われていますので、少しだけチェックをしてみようと思います。

 

まずExynosシリーズのIdentifierではなく、Qualcomm Snapdragonシリーズを見てみます。Identifierをよく見ると、何か規則性のある事に気がつくと思います。Snapdragonは“part”に規則性があり、Snapdragon 835は2048、Snapdragon 845は2050、Snapdragon 855は2052となっています。更に遡るとSnapdragon 821やSnapdragon 820になりますが、こちらのCPUは完全に自社開発となっているので規則性から外れます。

何故Snapdragon 835以降と以前で規則性が異なっているのかというと、Snapdragon 820とSnapdragon 821はベースモデルの存在しない自社開発のコアを搭載していますが、Snapdragon 835以降はベースモデルが存在しているセミカスタムコアなので規則性が異なります。もし、Snapdragon 820/821の後継機が自社開発のコアを搭載すれば規則性のある数字になっていたと思います。

 

次はExynosシリーズを見ていきます。Exynosプロセッサーは2015年11月に発表されたExynos 8890から自社開発のコアを採用し始めます。Exynos 7420はARM Cortex-A57をそのまま搭載しているため、Exynos 8890以降とは異なった数値を出しています。Exynos 7420のIdentifierはA57を表しているので、同じくA57を搭載しているTegra X1を搭載したNVIDIA SHIELD TVも同じ値です。

ExynosシリーズのIdentifierは少し複雑で、Exynos 8890がvariant 1のpart 1、Exynos 8895がvariant 4のpart 1、Exynos 9810がvariant 1のpart 2、Exynos 9820がvariant 1のpart 3となっています。Exynos 8890とExynos 8895は割愛しますが、Exynos 9810とExynos 9820には規則性があり、今回Geekbenchに姿を表したExynos 9820は偽物ではなく本物の可能性が高いです。今の所Exynos 9820は1つしか出現していませんので、より信憑性を高めるには少なくとも5つ以上の計測が必要です。ですので、今の所「本物の可能性が高い」という曖昧な表現をしています。

 

Exynos 9 Series 9820のスペックは、製造プロセスがSAMSUNG 8nm FinFET LPP、CPUは自社開発の2xExynos M4 + 2xARM Cortex-A75 + 4xA55のオクタコア構成、GPUはARM Mali-G76 MP12、NPU搭載、ISPはリアフロントともに最大2200万画素でデュアルカメラは1600万画素+1600万画素、メモリはLPDDR4x、LTEカテゴリーはCat.20/20となっています。

 

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