Qualcommは2024年10月に新製品としてSnapdragon 8 Gen 4を発表する予定で、この製品はNUVIA製CPUの採用が判明しているので大きな注目を集めています。この新しいCPUがどの程度のものなのか気になっている人が多い中、それに応えるがごとくGeekbenchに姿を表しました。
Snapdragon 8 Gen 4と思われる計測結果では、Manufacturer Modelという名称で計測され、Geekbench 6.3.0環境でのシングルコア性能は2,884点、マルチコア性能は8,840点となっています。
CPUは最大4.09GHzで動作するコアを2基と最大2.78GHzで動作するコアを6基の2+6構成を採用しています。高性能側は4.00GHzを超え、高効率側は3.00GHzに迫る数値が設定されています。排熱機構が優れている高性能なPC向けと見間違えるような設定です。
識別子は「81」の数値が記載されており、実はこの数値を見てArm製CPU IP (Cortex)を採用していないことがわかります。
上の表はさまざまな企業が開発したCPUの識別子を表すものです。この数値は16進数で記載されており、Qualcommの0x51を10進数にすると81となります。Geekbenchの計測結果に記載されていた81と一致します。つまり、この製品はArm製CPU IPを採用せずにQualcommが開発したものを採用していることを意味します。
ちなみに、Armは0x41で10進数にすると65となります。MediaTekやUNISOCの製品の計測結果を見ると、識別子が65になっていることが確認できると思います。
また、アメリカの制裁措置によって苦境に立たされ、CPUの独自開発を始めたHuaweiの完全子会社HiSiliconの数値は0x48で、10進数にすると72になります。なんてことないように思える数値ですが、この部分を見ると悪質なメディアに騙されにくくなります。
さて、今回計測結果を開発者向けコードを利用して詳しく見ると、GPUはAdreno 830を採用していることがわかりました。現在のSnapdragon 8 Gen 3ではAdreno 740を採用しているため、Qualcommが開発したCPUを搭載する新製品は新しい世代のGPUを採用することになります。
Snapdragon 8 Gen 4はXiaomi 15とXiaomi 15 Proが初搭載するとのうわさがあります。これらの製品は同じく10月に発表される予定で、すぐに商用製品が市場に出回ります。
Xiaomiの他にはOnePlus、iQOO、realme、HONORが採用する予定で、2024年の末には熾烈な戦いが繰り広げられているでしょう。