中国のファブレス企業のUNISOC(紫光展鋭)は2023年6月14日、新SoCのT619が量産段階に入ったとTechbond(担克邦)を通じて報告しました。
UNISOCはTR5審査を経て、新SoCとなるT619の量産段階に入ったと報告しました。TR5審査という言葉が聞き慣れないものですが、新製品を開発して製品化するまでのプロセスのひとつを意味します。
新製品を製品化するまでにコンセプト段階、計画段階、開発段階、検証とリリース段階を経ます。その中でコンセプト段階はTR1、計画段階はTR2とTR3、開発段階はTR4とTR4AとTR5、検証とリリースのフェーズはTR6と分けられています。(TRはTechnical Reviewの略)
具体的にTR1は製品要件仕様のレビュー、TR2は製品全体のデザイン、TR3は各モジュールの設計レビューの概要、TR4は各モジュールの実装レビュー、TR4Aはエンジニアリングプロトタイプのレビュー、TR5はデザインプロトタイプのレビュー、TR6は生産変更のレビューとなっており、UNISOCの新SoCのT619はTR5を通過したと報告しています。
同社はT619が2021年8月に発表したT616の正統な後継SoCと明らかにし、いくつかのスペックを公開しています。T616と比較して新SoCのT619は、CPUの最大クロック数が2.0GHzから2.2GHzへ上昇し、GPUの最大クロック数が750MHzから850MHzに上昇するとしています。
現在、T619はタブレット製品を開発している企業と共同でデバッグ作業を行っており、今年中にいくつかの企業からT619を搭載したタブレット製品が発表され、販売されると考えています。
T619が正式に発表されると同社の6シリーズはT619とT618、T616、T612、T610、T606となるので製品の厚みが増すでしょう。UNISOCのSoCは日本市場ではあまり馴染みがないかもしれないですが、新興国では搭載した製品が多く発表されており、有名な企業では中国のHonorやrealmeなどが採用しています。