2016年9月7日に発表されたiPhone 7/iPhone 7 Plusに搭載されているApple A10 FusionのGPUクロックの設定値が3年越しに判明しました。
AppleはCPUクロック、GPUクロックを非公開にしている企業なので、今回のように数値が判明するとSoCの研究を行っている人にとっては垂涎もののデータです。
設定値を公開したのはLonghorn(@never_released)氏です。A10 Fusionにはヘキサコア(6コア)構成のImagination Technologies製PowerVR Series 7XT GT7600 Plusが搭載されており、この後継機として開発されたApple A11 BionicからはApple独自設計のGPUに変更されているので、最後の外部企業が開発したGPUと言えます。
A10 FusionのGPU性能は特別低くなくむしろ高い水準ですが、自社開発を行ったA11 Bionicではトリプルコア(3コア)ながらそのスコアを超すことに成功し高い技術を発揮しています。
気になるGPUクロックの設定値は最大値が1008MHz、852MHz、756MHz、630MHz、440MHz、最小値が378MHzとなっています。同氏はコア電圧(mV)も公開しており、1008MHz環境では978mV、852MHz環境では853mV、最小値となる378MHz環境では646mVとなっています。
GPUクロックが1000MHzを超えるのは珍しい部類に入ります。やはりクロックが高いと発熱の心配も出てくるので、いかに低クロックでより良いパフォーマンスを出すかに重きが置かれます。iPhone 7/iPhone 7 Plusの発熱について検索してみると1ユーザーの意見として発熱するというものは散見しましたが、大きな問題にはなっていないようなのでAppleは上手に調整したのだと考えられます。
スマートフォン向けのA11 BionicやApple A12 Bionic、タブレット向けのApple A10X FusionやApple A12X Bionicは細かいところまでわかっていない現状です。約3年前のA10 Fusionの仕様がわかってきたと考えると、他のプロセッサーの謎はまだまだ解かれないでしょう。