韓国のサムスン電子は2024年10月24日、ひっそりと新製品となるExynos 1580を発表しました。同社はミドルレンジ帯向けの製品の発表会を行わない傾向にありますが、せっかくの新製品なのでニュースリリースくらいは発行してもいいのではないかと思います。
名称 | Exynos 1580 | Exynos 1480 | Exynos 1380 |
CPU | 1x Cortex-A720
3x Cortex-A720 4x Cortex-A520 |
4x Cortex-A78
4x Cortex-A55 |
4x Cortex-A78
4x Cortex-A55 |
動作周波数 | 2.91GHz
2.60GHz 1.95GHz |
2.75GHz
2.05GHz |
2.40GHz
2.00GHz |
GPU | Xclipse 540 2WGP 4CU | Xclipse 530 1WGP 2CU | Mali-G68 MP5 r1p1 |
動作周波数 | ? | 1300MHz | 949MHz |
NPU/DSP | 搭載
(14.7 TOPS) |
搭載 | 搭載
(4.9 TOPS) |
カメラ | 2億画素 or 6400万画素(ZSL) or 2x3200万画素(ZSL) | 2億画素 or 6400万画素(ZSL) or 2x3200万画素(ZSL) | 2億画素 or 6400万画素(ZSL) or 3x1600万画素(ZSL) |
リフレッシュレート | 144Hz (FHD+) | 144Hz (FHD+) | 144Hz (FHD+) |
エンコード/デコード | Encode: 4K@60fps H.265, H.264, VP9, VP8
Decode: 4K@60fps H.265, H.264, VP9, VP8 |
Encode: 4K@60fps H.265, VP9
Decode: 4K@60fps H.265, VP9 |
Encode: 4K@30fps H.265, VP9
Decode: 4K@30fps H.265, VP9 |
RAM | LPDDR5 (3200MHz) | LPDDR5 (3200MHz)
LPDDR4X (2133MHz) |
LPDDR5 (3200MHz)
LPDDR4X (2133MHz) |
ストレージ | UFS 3.1 | UFS 3.1 | UFS 3.1 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E (11ax) | Wi-Fi 6E (11ax) | Wi-Fi 6 (11ax) |
Bluetooth | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.3 |
位置情報 | ? | GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo | GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo |
通信 | 統合: 5G Modem
Sub-6GHz (DL: 5.1Gbps / UL: 1.28Gbps) mmWave (DL: 4.84Gbps / UL: 0.92Gbps) LTE Cat.18/18 (DL: 1.2Gbps / UL: 211Mbps) |
統合: 5G Modem
Sub-6GHz (DL: 5.1Gbps / UL: 1.28Gbps) mmWave (DL: 4.84Gbps / UL: 0.92Gbps) LTE Cat.18/18 (DL: 1.2Gbps / UL: 211Mbps) |
統合: 5G Modem
Sub-6GHz (DL: 3.79Gbps / UL: 1.28Gbps) mmWave (DL: 3.67Gbps / UL: 0.92Gbps) LTE Cat.18/18 (DL: 1.2Gbps / UL: 211Mbps) |
充電規格 | ? | ? | ? |
製造プロセス | Samsung 4nm SF4P | Samsung 4nm SF4 | Samsung 5nm SF5E |
型番 | S5E8855 | S5E8845 | S5E8835 |
新製品のExynos 1580の主な仕様は、製造プロセスがSamsung 4nm SF4P、CPUは最大2.91GHzで動作するCortex-A720と最大2.60GHzで動作するCortex-A720と最大1.95GHzで動作するCortex-A520を1+3+4構成で採用、GPUはXclipse 540、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、モバイルデータ通信は5Gに対応します。
前モデルと比較して、製造プロセスはサムスンファウンドリの4nmプロセスで同じですが、より詳細な技術としては2世代目のSF4から3世代目のSF4Pになりました。この技術で製造された製品としてExynos 2400 (2400e)とGoogle Tensor G4があります。
CPUは高性能なコアがCortex-A78からCortex-A720へ進化、高効率なコアはCortex-A55からCortex-A520へ進化しました。また、4+4から1+3+4の柔軟な処理が可能になる構成に刷新され、シングルコア性能だけでなくマルチコア性能も高くなることが見込まれます。ただ、残念なことに性能向上幅が明らかにされていないので、性能が向上するのは確実ですが、どの程度向上しているのかわかりません。
GPUはXclipse 530からXclipse 540へ進化し、積載数も1WGPから倍増し2WGPとなりました。この変更によって、サムスン電子は最大37%の性能向上、同じ消費電力で20%の性能向上に成功したと発表しています。
Exynos 1580はGalaxy A56 5Gに初搭載されると期待されています。前モデルのGalaxy A55 5Gは2024年3月に発表されましたので、2025年3月までには発表されるのではないかと思います。
Galaxy A55 5Gは日本市場でも販売されているため、Galaxy A56 5Gも日本市場での販売に期待できます。Galaxy A55 5GはNTTドコモとKDDIが取り扱いましたが、昨今のサムスン電子は直販となるSIMフリーモデルの展開にも力を入れているため、後継製品のGalaxy A56 5Gはそちらの展開にも期待です。