Snapdragonを開発・展開しているQualcommは、2023年8月24日にSnapdragon Gシリーズを新設したと発表しました。
新設されたSnapdragon Gシリーズは、すでに展開されているSnapdragon 8シリーズや6シリーズなどのモバイルデバイス向けとは異なり、携帯型ゲーム機 (Handheld Gaming Device)向けです。
名称 | Snapdragon G3x Gen 2 | Snapdragon G2 Gen 1 | Snapdragon G1 Gen 1 |
CPU | Kryo
8 Cores |
Kryo
8 Cores |
Kryo
8 Cores |
動作周波数 | ? | ? | ? |
GPU | Adreno A32 | Adreno A21 | Adreno A11 |
動作周波数 | ? | ? | ? |
NPU/DSP | ? | ? | ? |
カメラ | ? | ? | ? |
リフレッシュレート | 144Hz (FHD+) | 144Hz (FHD+) | 60Hz (HD+) |
エンコード/デコード | ? | Decode: 4K@30fps | Decode: 1080p@60fps |
RAM | LPDDR5X (4200MHz) | ? | ? |
ストレージ | UFS 4.0 | ? | ? |
Wi-Fi | Wi-Fi 7 (11be) | Wi-Fi 6E (11ax 2x2) | Wi-Fi 5 (11ac) |
Bluetooth | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.0 | Bluetooth 5.0 |
位置情報 | ? | ? | ? |
通信 | 統合: 5G Modem
Sub-6GHz/mmWave (DL: 10Gbps/UL: ?Mbps) |
統合: Snapdragon X62 5G Modem
Sub-6GHz/mmWave |
- |
充電規格 | Quick Charge 5 | ? | ? |
製造プロセス | ? | ? | ? |
型番 | ? | ? | ? |
今回発表したのはSnapdragon G3x Gen 2とG2 Gen 1、G1 Gen 1の3製品ですが、Razer Edgeが搭載しているSnapdragon G3x Gen 1もSnapdragon Gシリーズに属します。
これらの新製品は多くの情報が公開されておらず、搭載した製品を購入しないとわからないことだらけになっています。搭載する企業はスペックをわかっていますが、購入者は手元に届くまでスペックが分からない状態なので、手を伸ばしにくいかもしれません。
Snapdragon G3は最上位、Snapdragon G2は上位、Snapdragon G1は下位という位置づけにしており、その中で下位のSnapdragon G1はモバイルデータ通信に対応していません。そのため、Snapdragon G1はWi-Fi環境が整った家での利用を想定した製品群となります。
Snapdragon G3x Gen 2はRazer Edge (5GおよびWi-Fi)が搭載したSnapdragon G3x Gen 1と比較して、CPU性能は30%、GPU性能は2倍 も高速になったようです。Snapdragon G3x Gen 1はGPUにAdreno 660を搭載していたため、Snapdragon 888 5Gのリブランド品と判明していましたが、Snapdragon G3x Gen 2は単独の製品なのかリブランド品なのか不明です。
Snapdragon G3x Gen 2、G2 Gen 1、G1 Gen 1はCPUが共通してKryoですが、実際の中身は異なっており、残念ながら同じ性能を発揮しません。GPUは型番が異なっているので性能が異なるとわかりやすいですが、CPUも違う性能を発揮すると知っていたほうがいいです。
今回発表したSnapdragon GシリーズはAYANEO、Huaqin、Invetec、Thundercommなどが採用すると明らかにされています。特にAYANEOはこれらの市場において強い存在感を放っている企業のひとつなので、この企業から出てくる製品に注目です。
また、来年の2024年に開催されるCES 2024でSnapdragon Gシリーズを搭載したいくつかの製品が展示、もしくは発表されるとの報告があります。この市場はUNISOCが強く、多くの企業がUNISOCのT618やT310を搭載していましたが、Qualcommの参入によって市場が活性化することになるでしょう。