QualcommがSnapdragon 8s Gen 3を発表、高性能な製品を求めやすく

QualcommがSnapdragon 8s Gen 3を発表、高性能な製品を求めやすく

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アメリカのQualcommは2024年3月18日、中国で新製品発表会を開催しSnapdragon 8s Gen 3を発表しました。今回、すでに発表されているSnapdragon 8 Gen 3と簡単にですが表にして比較します。

 

名称 Snapdragon 8 Gen 3 Snapdragon 8s Gen 3
CPU Kryo

1x Cortex-X4

3x Cortex-A720

2x Cortex-A720

2x Cortex-A520

(12MB L3 Cache)

Kryo

1x Cortex-X4

4x Cortex-A720

3x Cortex-A520

(4MB L3 Cache)

動作周波数 3.30GHz

3.15GHz

2.96GHz

2.27GHz

3.01GHz

2.80GHz

2.02GHz

GPU Adreno 750 Adreno 735
動作周波数 903MHz 1100MHz
NPU/DSP Hexagon Hexagon
カメラ Triple 18-bit Spectra Cognitive ISP

2億画素 or 1億800万画素(ZSL) or 6400万画素+3600万画素(ZSL) or 3x3600万画素(ZSL)

Triple 18-bit Spectra Cognitive ISP

2億画素 or 1億800万画素(ZSL) or 6400万画素+3600万画素(ZSL) or 3x3600万画素(ZSL)

リフレッシュレート 60Hz (4K)

144Hz (QHD+)

60Hz (4K)

144Hz (QHD+)

エンコード/デコード Encode: 8K@30fps H.265, H.264, Google Ultra HDR

Decode: 8K@30fps H.265, H.264, VP9, VP8, AV1

HDR10+, HDR10, HLG, Dolby Vision

Slow-Mo: 720p@960fps

Encode: 4K@60fps H.265, H.264, Google Ultra HDR

Decode: 4K@60fps H.265, H.264, VP9, VP8, AV1

HDR10+, HDR10, HLG, Dolby Vision

Slow-Mo: 1080p@240fps

RAM LPDDR5X (4800MHz)

(6MB System Level Cache)

LPDDR5X (4200MHz)

(3.5MB System Level Cache)

ストレージ UFS 4.0 UFS 4.0
Wi-Fi Wi-Fi 7 (11be) Wi-Fi 7 (11be)
Bluetooth Bluetooth 5.4 Bluetooth 5.4
位置情報 GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC
通信 統合: X75 5G Modem

Sub-6GHz/mmWave

(DL: 10Gbps / UL: 3.5Gbps)

統合: X70 5G Modem

Sub-6GHz/mmWave

(DL: 6.5Gbps / UL: 3.5Gbps)

充電規格 Quick Charge 5 Quick Charge 5
製造プロセス TSMC 4nm N4P TSMC 4nm N4P
型番 SM8650-AB SM8635

新たな製品のSnapdragon 8s Gen 3の主な仕様は、製造プロセスがTSMC 4nm N4P、CPUは最大3.01GHzで動作するCortex-X4と最大2.80GHzで動作するCortex-A720と最大2.02GHzで動作するCortex-A520を1+4+3構成で採用、GPUは最大1100MHzで動作するAdreno 735、RAM規格はLPDDR5X、内蔵ストレージ規格はUFS 4.0、モバイルデータ通信は5G NRに対応しています。

 

CPUはSnapdragon 8 Gen 3と同じものを採用していますが、1+5+2と1+4+3で構成が異なります。もちろん動作する数値も違いますが、この変更により高性能なCortex-A720がひとつ減っているので、Snapdragon 8 Gen 3と比べるとやや高効率に寄っているように感じます。それでも、超高性能なCortex-X4を採用しているので高性能であることは間違いありません。

 

GPUはAdreno 735を採用しています。Qualcommの命名規則では同じ世代の場合に限り数字が大きいと性能が高いので、新製品はSnapdragon 8 Gen 1のAdreno 730よりも性能が高く、Snapdragon 8 Gen 2のAdreno 740よりも性能が低いことになります。

 

この他の違いとしてエンコード・デコードの性能とRAM規格、通信があります。

 

エンコードとデコードに関してはSnapdragon 8 Gen 3が8K録画に対応している一方で、新製品のSnapdragon 8s Gen 3は4K録画が最高となっています。現代においては8Kはオーバー気味の解像度ですが対応していて損はありませんので、ビデオ録画を大切にしている人は素直にSnapdragon 8 Gen 3を搭載した製品を選びましょう。

 

RAM規格に関しては共通してLPDDR5Xに対応していますが、速度がSnapdragon 8 Gen 3は4800MHzで、新製品は4200MHzと細かく見ると異なっています。この部分はGPUの性能に関わってくるので、Qualcommは上手にコストを下げたように感じます。

 

通信に関しては、それぞれの製品が統合しているモデムがX75 5G ModemとX70 5G Modemで異なっており、その変更にともなってアップリンクが10Gbpsと6.5Gbpsで異なっています。しかし、これは限られた国や地域の限られたエリアでしか体験できないmmWaveの数値なので、あまり気にする必要はありません。

 

この新製品発表会にはXiaomiの盧偉氷 (Lu Weibing)氏が登壇し、Xiaomi Civi 4 Proで初搭載すると明言しました。実際に3月21日に行われた同社の新製品発表会でXiaomi Civi 4 Proが初搭載製品として発表されました。

 

容量は12GB+256GBと12GB+512GB、16GB+512GBを用意し、価格はそれぞれ2999元 (約60,500円)と3299元 (約66,500円)、3599元 (約72,500円)に設定されています。

 

Snapdragon 8s Gen 3を初採用した企業・ブランドはXiaomiですが、QualcommによるとXiaomiの他にHonor、iQOO、realme、Redmiが採用する予定だと明らかにしています。この製品によって高性能な製品を少しだけ求めやすくなるでしょう。

 

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