Xiaomi Redmi 6Aが初期搭載スマートフォンとなっているMediaTek Helio A22のベンチマークスコアが判明しました。今回判明したスコアはAnTuTuによって集計されたものではなく、購入者によるものなので平均値は前後する可能性があります。
AnTuTuベンチマーク Ver.7でのスコアは、CPU性能が29,595点、GPU性能が8,004点、UX性能が18,491点、MEM性能が6,223点で総合性能が62,313点という結果です。Xiaomi Redmi 6Aの従来機となるXiaomi Redmi 5Aに搭載されているQualcomm Snapdragon 425が43,597点なので大幅な性能向上が出来ており、SoCのパフォーマンスの点においても後継機と呼べるスマートフォンではないでしょうか。
今回、Helio A22のスコアが判明しましたので、Xiaomi Redmi 6に搭載されているHelio P22、Xiaomi Redmi 5Aに搭載されているSnapdragon 425、Xiaomi Redmi 5に搭載されているSnapdragon 450の4つで比較を行います。あくまでもベンチマークアプリによって算出されたスコアで比較を行いますので、実際の体感に関しては考慮していないことをご留意ください。
比較
スペック表は上図のようになり、全てのSoCでARM Cortex-A53が使用されています。その中でHelio P22とSnapdragon 450がオクタコア構成、Helio A22とSnapdragon 425がクアッドコア構成になっています。
CPUのクロック数はHelio P22とHelio A22が2.0GHzですが、Snapdragon 425は1.4GHzでSnapdragon 450は1.8GHzと前者2つと比べると低クロックに仕上がっています。GPUはHelio P22とHelio A22共にARM Mali GPUではなくImagination Technologies社製PowerVRが搭載されており、GPU性能に期待がかかります。Helio A22のGPUはMediaTekのスペック表にはPowerVR GE-class製品が搭載されていると書いてあるのみで、詳細は不明となっています。
RAM規格はMediaTek製両SoCがLPDDR4Xで現在最新の規格を搭載しています。MEM性能で違いが出てくるかもしれません。
総合性能はHelio P22>Snapdragon 450>Helio A22>Snapdragon 425という結果になりました。Helio P22はHelio A22の1.2倍のスコアです。
Helio A22はクアッドコア構成ということもあってスコアがいまいち伸びておりませんが、GPU性能はかなり高いように見えます。
CPU性能はクロック数の高いHelio P22が1位、Snapdragon 450が2位、Helio A22が3位、Snapdragon 425が4位という結果になりました。クアッドコアながらオクタコアの0.8倍の性能を誇っており、エントリーモデルではなくミドルレンジモデルとして名乗っても問題はないでしょう。
MediaTek MT6750のCPU性能は19,884点なので大幅な性能向上が出来ています。
GPU性能はSnapdragon 450>Helio P22>Helio A22>Snapdragon 425という順番になっています。CPU性能と同じくHelio A22はHelio P22の0.8倍のスコアになっており、上手に開発できているように感じます。8,000点はゲームを快適にプレイすることは難しいので、PUBGなどのバトルロイヤルゲームで1番になりたい場合はしっかりとしたSoCを登載したモデルを買うほうがいいでしょう。あくまでも暇つぶしにゲームをするという人にとってはそこそこの性能ですので、文句が出るのは少ないと思います。
1番驚いたのはSnapdragon 425のスコアで、この数値ではほぼ全てのゲームでカクつきやフリーズするときが出てくると思うので、「安いから」という理由で買うと後悔するかもしれません。
この数値が高いと快適性が高いということになります。2018年における快適な操作ができる基準となっている点数が40,000点なので、全て決して快適とは言えませんが、Helio P22が1番快適度が高く、その次にSnapdragon 450、Helio A22、Snapdragon 425と続きます。AnTuTuベンチマークにおける快適度ではHelio A22とSnapdragon 450に大きな違いはないということになり、実操作を求めるのであればデザインや価格等をふまえて気に入った方を買ってもよいということになります。
MEM性能はRAMと内蔵ストレージ読み書きの速さを計測し、この数値が高いとCPU性能も高くなります。
やはりLPDDR4X規格を採用しているHelio P22とHelio A22が2000点近くの差をつけています。内部処理の面ではこちらの2つのSoCが上回っていますので、長く使用していると違いに気づくかもしれません。
Geekbenchでは平均値が集計されていませんので、ReaMEIZUが勝手に数値がいいものをピックアップしています。
Helio P22はやはりオクタコア構成に加え2.0GHzということもあって1番スコアが良く、シングルコア性能では他の4つと同じくA53を採用して2.0GHzなのでSnapdragon 450よりもスコアを上回っています。同じコア、同じクロック数なのでHelio P22とHelio A22のシングルコア性能では差はありませんが、Helio A22はクアッドコア構成なのでSnapdragon 450よりも低いスコアとなっています。コア数の問題なのでこれは致し方ありません。
総括
MediaTekはフラッグシップモデルのHelio Xシリーズの開発を一時停止し、ミドルレンジモデルに注力することを明らかにしており、Helio P60を始め良いSoCを作り続けている印象を受けます。フラッグシップモデルのHelio Xシリーズの開発をしている時はどちらも決して良いSoCとは言えませんでしたが、この方針転換によって開発環境が良くなったのでしょうか。
2017年のXiaomiはQualcomm Snapdragon搭載機のみを発表・販売をしていましたが、2018年になって急にMediaTek Helio搭載機を発表・販売するようになりました。2017年のMediaTek製品がXiaomiの求めるものではなく、2018年になってようやく搭載を認められるパフォーマンスを発揮したので搭載を認めたということも考えられますが、おそらくはアメリカと中国の間で起こっている貿易摩擦によってQualcomm製品の輸入代金が高くなったことが原因の1つだと考えています。MediaTekのある台湾はアメリカ領土ではないので貿易摩擦もなく、格安でSoCを仕入れることが出来ます。ですので、今回Helio P22とHelio A22が搭載された2つのスマートフォンは1000元(約17,000円)を切る価格で販売されています。
もう1つの理由はSnapdragon 425とSnapdragon 450の後継機が存在していないという問題で、スマートフォンでは後継機としてリリースしているのに搭載されているSoCは据え置きという狂った展開を行うと消費者が混乱するので、現状でSnapdragon 425とSnapdragon 450を上回るHelio P22とHelio A22を採用した、ということも考えられます。これらはあくまでもReaMEIZUの考えなので、Xiaomi自身は全く違うことを考えているかもしれません。
兎にも角にも「MediaTek Helio搭載機だから」という点で敬遠するのは認識が古いです。正しい知識と認識を持ってスマートフォンを購入することが大事です。
ちなみにコストパフォーマンス比(スコア÷価格)はXiaomi Redmi 6が94.8点、Xiaomi Redmi 6Aが104.0点、Xiaomi Redmi 5Aが72.7点、Xiaomi Redmi 5が87点となります。“コスパ”の点においてはHelio A22を登載したXiaomi Redmi 6Aが1番優れていることになります。
参考
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