台湾のMediaTekは2023年4月28日、新製品としてDimensity 7050を発表しました。ただ、この製品も先日から発表しているいくつかの製品と同じく過去の製品に新しい名称が付与されたリネーム品・リブランド品です。
名称 | Dimensity 7050 | Dimensity 1080 |
CPU | 2x Cortex-A78
6x Cortex-A55 |
2x Cortex-A78
6x Cortex-A55 |
動作周波数 | 2.60GHz+2.00GHz | 2.60GHz+2.00GHz |
GPU | Mali-G68 MC4 | Mali-G68 MC4 |
動作周波数 | 950MHz | 950MHz |
NPU/DSP | APU 550 | APU 3.0 |
カメラ | 2億画素 | 2億画素 |
リフレッシュレート | 120Hz(FHD+) | 120Hz(FHD+) |
エンコード/デコード | Encode: 4K@30fps H.265, H.264
Decode: 4K@30fps H.265, H.264, MPEG-1/2/4, VP-9 |
Encode: 4K@30fps H.265, H.264
Decode: 4K@30fps H.265, H.264, MPEG-1/2/4, VP-9 |
RAM | LPDDR5(2750MHz)
LPDDR4X(2133MHz) |
LPDDR5(2750MHz)
LPDDR4X(2133MHz) |
ストレージ | UFS 3.1
UFS 2.1 |
UFS 3.1
UFS 2.1 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6 (11ax) | Wi-Fi 6 (11ax) |
Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 |
位置情報 | GPS, BeiDou, Glonass, Galileo, QZSS, NavIC | GPS, BeiDou, Glonass, Galileo, QZSS, NavIC |
通信 | 統合: 5G Modem
Sub-6GHz |
統合: 5G Modem
Sub-6GHz |
充電規格 | - | - |
製造プロセス | TSMC 6nm N6 | TSMC 6nm N6 |
型番 | MT6877TT | MT6877TT |
Dimensity 7050の主なスペックは、製造プロセスはTSMC 6nm N6、CPUは2.60GHzで動作するCortex-A78を2基と2.00GHzで動作するCortex-A55を6基の2+6構成、GPUは950MHzで動作するMali-G68 MC4、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、モバイルデータ通信は5Gに対応しSub-6GHz帯をサポート、Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2に対応します。
基本的なスペックはDimensity 1080と同じですが、APUの記載方法がAPU 3.0からAPU 550に変更されました。過去に発表された製品からAPU 3.0はAPU 550だけでなくAPU 570も含まれていることがわかっているため、名称を付与することで同じものではないとわかりやすくしたと思います。
製造プロセスはTSMCの6nmプロセスに基づくN6を採用しており、先端プロセスで製造された製品となっています。このため、高い性能を発揮しながら優れた省電力性を兼ね備えることが可能になります。
CPUはCortex-A78とCortex-A55を組み合わせた構成を採用していますが、高性能側のCortex-A78が2基と少ないので、シングルコア性能では高い性能を発揮すると思いますが、マルチコア性能に関してはそこまで高い性能にはならないと思います。
GPUはMali-G68 MC4を採用し、クロック数は950MHzに設定されています。リネーム前の製品のDimensity 1080と型番が同じで、MediaTekの製品で型番が完全に同じなのに性能が異なる例を確認していないため、同じだと考えています。
モバイルデータ通信は5Gに対応し、FR1で定義されているSub-6GHz帯のみをサポートしています。この他にFR2で定義されているmmWaveもありますが、こちらは限られたエリアで超高速な通信を実現するもので、現時点では商用化している国と地域が非常に少ないので非対応であることは残念ですが、非対応でも問題ありません。
初搭載する製品は明らかにされていませんが、現時点ではLava Agni 2 5G、realme 11 Pro/11 Pro+が搭載することを確認しています。特に後者のrealme 11シリーズは中国で5月中に発表すると案内されているので、近い将来にDimensity 7050がどのような性能を有しているのか実機によって明らかになるでしょう。