MediaTekは2023年3月10日に新SoCとしてDimensity 6020を発表しました。この製品の発表によってDimensity 6000ファミリーが誕生し、新たなファミリーが増えました。
名称 | Dimensity 7200 | Dimensity 6020 |
CPU | 2x Cortex-A715
6x Cortex-A510 Refreshed (2MB sL3 Cache) |
2x Cortex-A76
6x Cortex-A55 |
動作周波数 | 2.80GHz+2.00GHz | 2.20GHz+2.00GHz |
GPU | Mali-G610 MC4
(HyperEngine 5.0) |
Mali-G57 MC2
(HyperEngine 3.0 Lite) |
動作周波数 | 1130MHz | 950MHz |
NPU/DSP | 6th Gen APU 650 | ? |
カメラ | Dual 14-bit Imagiq 765 HDR-ISP
2億画素 |
6400万画素 or 2x1600万画素 |
リフレッシュレート | MiraVision 765
144Hz(FHD+) |
90Hz(FHD+) |
エンコード/デコード | Encode: 4K@30fps HEVC, H.264
Decode: 4K@30fps HEVC, H.264, VP-9 |
Encode: 2K@30fps HEVC, H.264
Decode: 2K@30fps HEVC, H.264 |
RAM | LPDDR5(3200MHz)
LPDDR4X(2133MHz) |
LPDDR4X(2133MHz) |
ストレージ | UFS 3.1 | UFS 2.2 |
Wi-Fi | Wi-Fi 6E(ax) | Wi-Fi 5(ac) |
Bluetooth | Bluetooth 5.3 | Bluetooth 5.1 |
位置情報 | GPS, BeiDou, Glonass, Galileo, QZSS, NavIC | GPS, BeiDou, Glonass, Galileo, QZSS, NavIC |
通信 | 5G: Sub-6GHz
(4.7Gbos/2.5Gbps) |
5G: Sub-6GHz
(2.77Gbps/1.25Gbps) |
充電規格 | - | - |
製造プロセス | TSMC 4nm N4P | TSMC 7nm N7 |
型番 | MT6886 | MT6833 |
Dimensity 6020の主なスペックは、製造プロセスはTSMC 7nm N7、CPUは2.20GHzで動作するCortex-A76を2基、2.00GHzで動作するCortex-A55を6基の2+6構成、GPUはMali-G57 MC2、RAM規格はLPDDR4X、内蔵ストレージ規格はUFS 2.2、モバイルデータ通信は5Gに対応しSub-6GHz帯をサポート、この他にWi-Fi 5、Bluetooth 5.1に対応しています。
勘の良い方はお気づきかもしれませんが、今回発表した新SoCはDimensity 700のリブランド品で、基本的なスペックに違いがまったくありません。そして、この発表に伴って公式サイトからDimensity 700の表記が消えました(検索すれば見れる)。リブランドすることで最新製品に見せるというよりは、現在はDimensity 9200やDimensity 8100といった数字の大きい製品が多く出回っているので、そちらに寄せたほうが製品の位置がわかりやすくなると考えて名称を変更したと思います。
Dimensity 6020は2023年3月にリブランドされて発表されましたが、Dimensity 700は2020年11月に発表されたSoCなので、新製品と考えるといくつかのスペックが低く設定されています。ただ、Dimensity 700は現役のSoCのため、2023年の最新製品と考えるとスペックが低いですが、日常使いには何の文句が出ないと思います。
注意点としてはDimensity 6020がDimensity 700のリブランド品と理解していないと、新SoCなのに同じ製品を発揮する製品が過去に存在していると認識してしまうので、私を含めたメディアがわからない人たちに向けて正しい情報を公開していく必要があります。
初搭載機は中国市場向けのvivo iQOO Z7iで、標準仕様の4GB+128GBモデルが949元に設定されており、1000元程度の製品が多く搭載し販売されるでしょう。日本市場では既にDimensity 700を搭載した製品がいくつか発表されているので、同様にリブランド品のDimensity 6020を搭載した製品が多く搭載され発表されるでしょう。