台湾のMediaTekは中国の深圳で2024年5月7日にMMDC 2024を開催し、新製品としてDimensity 9300+を発表しました。今回発表されたDimensity 9300+を、既にさまざまな市場に投入されているDimensity 9300と簡単に比較します。
名称 | Dimensity 9300+ | Dimensity 9300 |
CPU | 1x Cortex-X4
3x Cortex-X4 4x Cortex-A720 (L3 Cache: 8MB) |
1x Cortex-X4
3x Cortex-X4 4x Cortex-A720 (L3 Cache: 8MB) |
動作周波数 | 3.40GHz
2.85GHz 2.00GHz |
3.25GHz
2.85GHz 2.00GHz |
GPU | Immortalis-G720 MC12 r0p0 | Immortalis-G720 MC12 r0p0 |
動作周波数 | 1300MHz | 1300MHz |
NPU/DSP | NPU 790 | NPU 790 |
カメラ | Triple 18-bit Imagiq 990 HDR-ISP
3億2000万画素 |
Triple 18-bit Imagiq 990 HDR-ISP
3億2000万画素 |
リフレッシュレート | 120Hz (4K)
180Hz (WQHD) |
120Hz (4K)
180Hz (WQHD) |
エンコード/デコード | Encode: 8K@30fps H.265, H.264
Decode: 8K@30fps H.265, H.264, VP9, AV1 |
Encode: 8K@30fps H.265, H.264
Decode: 8K@30fps H.265, H.264, VP9, AV1 |
RAM | LPDDR5T (9600Mbps)
LPDDR5X (8533Mbps) (System Level Cache: 10MB) |
LPDDR5T (9600Mbps)
LPDDR5X (8533Mbps) (System Level Cache: 10MB) |
ストレージ | UFS 4.0 + MCQ | UFS 4.0 + MCQ |
Wi-Fi | Wi-Fi 7 (11be) | Wi-Fi 7 (11be) |
Bluetooth | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.4 |
位置情報 | GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC | GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC |
通信 | 統合: 5G Modem
Sub-6GHz / mmWave (DL: 7Gbps) |
統合: 5G Modem
Sub-6GHz / mmWave (DL: 7Gbps) |
充電規格 | - | - |
製造プロセス | TSMC 4nm N4P+ | TSMC 4nm N4P+ |
型番 | MT6989T | MT6989 |
新たに発表されたDimensity 9300+の主な仕様は、製造プロセスがTSMC 4nm N4P+、CPUは最大3.40GHzで動作するCortex-X4と最大2.85GHzで動作するCortex-X4と最大2.00GHzで動作するCortex-A720を1+3+4構成で採用、GPUは最大1300MHzで動作するImmortalis-G720 MC12、RAM規格はLPDDR5T、内蔵ストレージ規格はUFS 4.0 + MCQ、モバイルデータ通信は5G NRに対応します。
目に見えてわかる今回の「+」の違いはCPUのみで、超高性能なCortex-X4が最大3.25GHzから0.15GHz上昇して最大3.40GHzで動作するようになりました。数値だけで考えると5%のほどの向上でやや消極的です。しかし、そもそものDimensity 9300が素晴らしい製品なのでこの程度で十分ではないかとも思えます。
Dimensity 9300+には星速引擎と呼ばれる機能を初搭載し、この機能をNetEaseが開発したMMORPGの逆水寒 (Justice)でONにした場合、OFFと比較して10%の電力消費の改善が行われたとのこと。
星速引擎は直訳するとスタースピードエンジン (StarSpeed Engine)となると思いますが、残念ながら同社は国際市場向けにこの機能をアピールしていないため、名称は不明です。
Dimensity 9300+のアピール点は上の画像のとおりで、先ほど紹介したCPUと星速引擎の他に、生成AIの効率の向上、Wi-Fiやモバイルデータ通信の改善が主です。
Dimensity 9300+は5月13日に発表されたvivo X100sとvivo X100s Proが初搭載しています。この製品は現在、中国市場のみで展開されています。
容量はvivo X100sが12GB+256GB版と12GB+512GB版、16GB+256GB版、16GB+512GB版、16GB+1TB版を、vivo X100s Proは12GB+256GB版と16GB+512GB版、16GB+1TB版を用意しています。
価格はvivo X100sが3999元 (約85,000円)から、vivo X100s Proが4999元 (約106,000円)からに設定されています。これらの製品の購入に関しては、前述の通り中国市場のみで展開されているので一定の注意が必要になります。