MediaTekがDimensity 8200を発表、4nmプロセス、最大3.10GHzのCortex-A78を採用

MediaTekがDimensity 8200を発表、4nmプロセス、最大3.10GHzのCortex-A78を採用

2022年12月9日
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MediaTekは当初2022年12月1日に新製品を発表する計画を立てていましたが、中国国内の不幸によって発表会の開催が無期限の延期となりました。今回、その不幸に関する儀式を終えて普通の生活を歩むことが可能になったため、12月8日に発表会を開催し新製品としてDimensity 8200を発表しました。

 

今回の製品はDimensity 8000系列に属し、これを搭載する製品は準旗艦の位置で市場に発表・販売されていきます。MediaTekは真・旗艦の位置でも力を発揮していますが、特に最近は準旗艦の位置で猛威を振るっています。今回の製品も確かな性能・確かな価格を発揮することで、多くの人々の需要に応えた機種が発表されるでしょう。

 

名称 Dimensity 8200 Dimensity 8100 Dimensity 8000
CPU 1x Cortex-A78

3x Cortex-A78

4x Cortex-A55

(4MB sL3 Cache)

4x Cortex-A78

4x Cortex-A55

(4MB sL3 Cache)

動作周波数 3.10GHz+3.00GHz+2.00GHz 2.85GHz+2.00GHz 2.75GHz+2.00GHz
GPU Mali-G610 MC6

HyperEngine 6.0

Mali-G610 MC6

HyperEngine 5.0

動作周波数 950MHz 852MHz 695MHz
NPU/DSP 5th Gen APU 580

(2x Performance + 1x Flexible)

5th Gen APU 580

(2x Performance + 1x Flexible)

カメラ Triple 14-bit Imagiq 785 HDR-ISP

3億2000万画素 or 3x3200万画素

Triple 14-bit Imagiq 780 ISP

2億画素 or 3200万画素+3200万画素+1600万画素

5 Gigapixels per Second

リフレッシュレート MiraVision 785

120Hz(WQHD+)

180Hz(FHD+)

MiraVision 780

120Hz(WQHD+)

168Hz(FHD+)

MiraVision 780

168Hz(FHD+)

エンコード/デコード Encode: 4K@60FPS H.264, H.265

Decode: 4K@60FPS H.264, H.265, VP9. AV1

Encode: 4K@60FPS H.264, H.265

Decode: 4K@60FPS H.264, H.265, VP9. AV1

Encode: 4K@60FPS H.264, H.265

Decode: 4K@60FPS H.264, H.265, VP9. AV1

RAM LPDDR5(3200MHz) LPDDR5(3200MHz)
ストレージ UFS 3.1 UFS 3.1
Wi-Fi Wi-Fi 6E Wi-Fi 6E
Bluetooth Bluetooth 5.3 Bluetooth 5.3
位置情報 GPS, BeiDou, Glonass, Galileo, QZSS, NavIC GPS, BeiDou, Glonass, Galileo, QZSS, NavIC
通信 統合: M80

Sub-6GHz

(4.7Gbps/2.5Gbps)

統合: M80

Sub-6GHz

(4.7Gbps/2.5Gbps)

充電規格 ? ? ?
製造プロセス TSMC 4nm N4 TSMC 5nm N5 TSMC 5nm N5
型番 MT6896 MT6895T MT6895

Dimensity 8200の主なスペックは、製造プロセスがTSMC 4nm N4、CPUが3.10GHzのCortex-A78を1基、3.00GHzのCortex-A78を3基、2.00GHzのCortex-A55を4基の1+3+4構成、GPUがMali-G610 MC6でクロック数は950MHzに設定、RAM規格はLPDDR5対応、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1対応、Wi-Fi 6E対応、Bluetooth 5.3対応、5G通信はSub-6GHz帯に対応となっています。

 

Dimensity 8100と8000からの変更点は、製造プロセスの微細化、CPUの高クロック化、GPUの高クロック化が挙げられます。製造プロセスはTSMC 5nm N5からTSMC 4nm N4へ微細化され、これは競合他社製品のSnapdragon 8 Gen 2と同じプロセスノードで製造されています。CPUやGPUの構成が異なるので同じ性能を発揮するわけではありませんが、準旗艦向けSoCが旗艦向けSoCと同じ製造プロセスであることは驚きに値します。

 

CPUはCortex-A78を4基、Cortex-A55を4基の構成を維持していますが、Cortex-A78のクロック数が変更され、最大3.10GHzを1基、最大3.00GHzを3基となりました。これによってすでに高い性能を発揮していましたがさらに向上し、MediaTekは6%も性能向上に成功したと発表しています。ちなみに、高効率側のCortex-A55のクロック数は据え置きです。

 

GPUは1世代先のMali-G615ではなく、Mali-G610を継続して採用しています。クロック数は852MHzから950MHzへ上昇しており、製造プロセスの微細化による性能向上と高クロック化による性能向上がシナジーし、同社は8%の性能向上に成功したと発表しています。また、Vulkan APIを利用したレイトレーシングに対応しており、より素晴らしいゲーム体験が提供されるでしょう。

 

AI性能に関しては引き続きAPU 590を採用していますが、クロック数をさらに高めることで13%の性能向上に成功しました。スマホでAIが主に利用されるのは、写真・動画撮影のときなので、性能が高いとより優れた撮影ができるようになります。

 

ISPはImagiq 785を搭載。Dimensity 8100はImagiq 780を搭載しているので、大きな違いがないように感じられるかもしれませんが、サポートする画素数が最大2億画素から3億2000万画素へ向上しているため、飛躍的な進化を見せています。

 

ディスプレイはMiraVision 785を搭載し、リフレッシュレートはFHD+環境下で最大180Hzをサポートしています。Dimensity 8100は同環境で168Hzでしたので進化を遂げていますが、現時点でここまで高リフレッシュレートな製品はないので、「サポートはしている」との認識が正しいでしょう。

 

無線通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、5G通信はSub-6GHz帯に対応しています。Wi-Fi 6Eは日本では9月2日に認可が下りましたので、その規格に対応したWi-Fiルーターとスマートフォンがあれば利用できます。5G通信はSub-6GHz帯のみの対応ですが、mmWaveは非常に限られた国と地域で対応し、非常に限られた狭いエリアでしか利用できないので、対応していないことは残念かもしれませんがまったく問題ありません。

 

初搭載製品はvivo iQOO Neo7 SEで、Dimensity 8200の発表会と同じ日に発表会が開催され、詳細なスペックとともに発表される予定です。AnTuTu Benchmark v9では最大90万点を出すとされており、準旗艦の性能が年を追うごとに大きく進化しています。

 

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