世界初の7nm製造プロセスを採用したHiSilicon Kirin 980を搭載しているHUAWEI Mate 20シリーズやHUAWEI Honor Magic 2のAnTuTuベンチマークスコアはモードによって揺れがあることがわかりました。
YouTuberのFoneTech氏はHUAWEI Mate 20 Pro(LYA-L29)でパフォーマンスモードをONにした場合とOFFにした場合のAnTuTuベンチマークでの計測風景を撮影した動画を投稿。パフォーマンスモードを“オフ”にした場合の総合スコアは272,264点、“オン”にした場合の総合スコアは303,395点。オンにした場合はオフの場合に比べて3万点近くスコアが伸びることが判明しました。
このパフォーマンスモードはバッテリー項目にあり、この機能をオンにしようとすると「パフォーマンスモードではデバイスの設定が最適化され、パフォーマンスが最大限に向上します。 これによりバッテリーレベルがより速く低下し、デバイスが発熱する可能性があります。」と注釈が出ます。このモードは以前指摘されたベンチマークチーティングに対するもので、問題が発覚した際にHUAWEIは「EMUI 9.0(Android 9 Pie)でユーザーが適宜最大パフォーマンスを使用するか選択できるようにする」と発言をしていました。ですのでこのモードをオンにするとスコアが伸びるというのは問題はありません。
ではこのパフォーマンスモードは何を最適化しているのかを検証してみます。動画を投稿したFoneTech氏は詳細なスコアも公開していますので比較を行います。
全ての項目でオンにした場合のほうがスコアが伸びていますが、注目すべきはCPU性能とGPU性能でしょう。多くの人はGPU Turbo機能がAnTuTuベンチマークでも有効になったと考えているようですが、どうやらAnandTechが指摘したBMモードがそのまま利用できるようになっています。HUAWEIは「チートに利用したモードをEMUI 9.0でパフォーマンスモードとしてユーザーが選択できるようにする」と言っているので何も問題はありませんが、HUAWEIファンや様々な人は認識を改めるべきでしょう。
ただこのオフにしている27万点のスコアでもチートをしているのであれば非常にがっかりです。という疑いをかけてしまうほど今のHUAWEIを素直に信頼することは難しいです。
補足となりますがAnTuTuが公開したHUAWEI Mate 20シリーズとHUAWEI Honor Magic 2のベンチマークスコアで24万点になっているものがありますが、これはUX性能が0点になる不具合があるとAnTuTuが報告していますので24万点がKirin 980の正式なスコアというわけではないようです。ちなみに右端がHUAWEI Honor Magic 2として公開されています。