HuaweiがKirin 9010Eを中国市場に投入、高くない歩留まりを知恵で対応

HuaweiがKirin 9010Eを中国市場に投入、高くない歩留まりを知恵で対応

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中国のHuaweiが2024年6月28日、新製品としてHUAWEI Pura 70 北斗衛星消息版を発表し、この製品が今までに登場していないKirin 9010Eを搭載していることが確認できました。そのため、すでに登場しているKirin 9010とKirin 9010Lを簡単にですが表にして比較します。

 

名称 Kirin 9010 Kirin 9010E Kirin 9010L
CPU 1x TaiShan-Big

3x TaiShan-Mid

4x Cortex-A510 r1

(8MB L3 Cache)

1x TaiShan-Big

3x TaiShan-Mid

4x Cortex-A510 r1

1x TaiShan-Big

2x TaiShan-Mid

3x Cortex-A510 r1

動作周波数 2.30GHz

2.18GHz

1.55GHz

2.19GHz

2.18GHz

1.55GHz

2.19GHz

2.18GHz

1.40GHz

GPU Maleoon 910 4CU Maleoon 910 3CU Maleoon 910 3CU
動作周波数 750MHz 750MHz 750MHz
NPU/DSP Da Vinci Architecture 3.0 (?)

1x Ascend Lite

1x Ascend Tiny

? ?
カメラ Kirin ISP 7.0 (?) Kirin ISP 7.0 (?) Kirin ISP 7.0 (?)
リフレッシュレート ? ? ?
エンコード/デコード ? ? ?
RAM LPDDR5 (3200MHz)

(4MB System Level Cache)

LPDDR5 (3200MHz) LPDDR5 (3200MHz)
ストレージ UFS 3.1 UFS 3.1 UFS 3.1
Wi-Fi Wi-Fi 6E (11ax) Wi-Fi 6E (11ax) Wi-Fi 6E (11ax)
Bluetooth Bluetooth 5.2 Bluetooth 5.2 Bluetooth 5.2
位置情報 GPS, A-GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC GPS, A-GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC GPS, A-GPS, GLONASS, BeiDou, Galileo, QZSS, NavIC
通信 統合: Balong 5G Modem 統合: Balong 5G Modem 統合: Balong 5G Modem
充電規格 ? ? ?
製造プロセス SMIC 7nm N+2 SMIC 7nm N+2 SMIC 7nm N+2
型番 Hi36A0-GFCV121-CN ? ?

Kirin 9010Eの主な仕様は、製造プロセスがSMIC 7nm N+2、CPUは最大2.19GHzで動作するTaiShan-Bigと最大2.18GHzで動作するTaiShan-Midと最大1.55GHzで動作するCortex-A510 Refreshedを1+3+4構成で採用、GPUは最大750MHzで動作するMaleoon 910 3CU、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、モバイルデータ通信は少なくとも4G LTEに対応しています。

 

すでに登場しているKirin 9010Lと新しく登場したKirin 9010Eを通常のKirin 9010と比較すると、前者は欠けた製品でしたが、後者は欠けてはいますがどちらかというと調整された製品ではないかと思います。

 

まずCPUに注目すると、構成そのものに変化ありませんが、超高性能なTaiShan-Bigが最大2.30GHzから最大2.19GHzに下がっています。これによって瞬間的な操作を行う場合に差がつくと思いますが、Huaweiが開発しているHarmonyOSの最適化によっていくらでもどうにかなるので気にしなくていいと思います。

 

完全子会社のHiSiliconが自社開発したTaiShan CPUはSMT (同時マルチスレッディング)に対応しているので、1コア・2スレッドを実現しています。そのため、新製品のKirin 9010Eは通常のKirin 9010と構成に変更がないので8コア・12スレッドの製品になっています。ただ、Kirin 9010Lは変更があるため、6コア・9スレッドに欠けています。

 

GPUはKirin 9010とは異なり、Kirin 9010Lと同じくひとつ欠けたMaleoon 910 3CUを採用しています。動作する数値はKirin 9010と同じ最大750MHzに設定されているので、GPUを利用するときには当然ですが差がつきます。

 

この他の違いは不明で、Huaweiが言及していないのですべて憶測となりますが、可能性としてはNPUが高性能なAscend Liteのみが動作するようになっているのではないかと考えています。

 

Kirin 9010Eを初搭載したのは前述の通り、HUAWEI Pura 70 北斗衛星消息版です。通常のHUAWEI Pura 70はKirin 9000S1を搭載しているので、Kirin 9010EがいくらKirin 9010から劣っていたとしても確実にこちらの製品のほうが性能が高いでしょう。

 

発表日と同じ6月28日より販売を開始しており、容量は12GB+256GBと12GB+512GB、12GB+1TBを用意しています。価格はそれぞれ5599元 (約114,500円)と6099元 (約125,000円)、7099元 (約145,000円)に設定されています。

 

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