Apple初の5G通信対応製品として発表されたiPhone 12シリーズとなるiPhone 12 mini、iPhone 12、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro MaxはデュアルSIM状態の場合5G通信を利用できないようになっていることをAppleはサポートページにて明らかにしました。
Appleは「iPhone 12、iPhone 12 mini、iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Max で両方の回線を実際に使っている場合、5G は利用できません。これらのモデルの iPhone で 5G を使うには、いずれかの電話回線をオフにし、デュアル SIM モードを無効にしてください。」と記載し、デュアルSIM利用時には5G+4Gではなく4G+4Gになり、5G通信を利用したい場合はいずれかの回線の使用を一時的にオフにする必要があると伝えています。
しかし、この仕様は物理SIMカードを2枚利用することが出来る中国市場向けのiPhone 12シリーズ(iPhone 12 miniのみシングルSIM)では多少仕様が異なり「中国では、デュアル SIM モードで 2 回線を使っている場合、モバイルデータ通信を利用している回線で 5G のデータ通信がサポートされます。」と記載されていますので、5G+4Gの利用が唯一できる国となっています。注意点としてこの仕様は中国国内での利用に限られていますので、中国市場向けiPhone 12シリーズを購入しても日本では使用できません。そして、中国市場向けと同じく香港市場向けとマカオ(澳門)市場向けiPhone 12シリーズは物理SIMカードにおけるデュアルSIMがサポートされていますが、こちらは一般的なiPhone 12と同じく5G+4Gはサポートされず4G+4Gをサポートしています。
iPhone 12シリーズは5G通信対応モデムとしてQualcomm Snapdragon X55 5G Modemを搭載していることが様々な分解レポートから明らかになっており、このSnapdragon X55 5G Modemを搭載したAndroid OS搭載製品は5G+4Gをサポートしていますので、iPhone 12シリーズはAppleのソフトウェア制御によって5G+4Gの利用ができないように調整が行われている可能性があります。そのため、これからのiOSアップデートによって利用できる可能性もなくはないため、今後の情報に注意していただきたいと思います。