台湾のMediaTekは2022年から2023年のフラッグシップ製品向けSoCとしてDimensity 9200を発表し、OPPOやvivoが採用した製品を発表しています。今回、後継製品のDimensity 9300に関する情報が流れてきたため共有します。
中国の情報通の@数碼閑聊站氏によると、Dimensity 9300のCPUは超高性能なCortex-X4を4基と高性能なCortex-A720を4基の4+4構成と明らかにしました。ArmはこれらのCPU IPと同時に高効率なCortex-A520を発表していますが、MediaTekは高効率コアを採用しない「オールビッグコア構成」を採用するようです。
この特殊な構成により、CPU性能はiPhone 15 Proシリーズが採用予定のApple A17 Bionicよりも高く、不思議なことにDimensity 9200よりも50%も消費電力が減るとしています。この消費電力が減ることについて同氏は「どんな魔法を使ったのか」と驚嘆しています。
また、Dimensity 9300のCPU性能が高いのは特殊な構成によって高いことが自明ですが、GPU性能もSnapdragon 8 Gen 2と比較して20%以上も高いようです。そのため、性能はSnapdragon 8 Gen 3に近く、完全に競合する製品に仕上がります。
懸念点としては高効率コアがないので消費電力に心配があります。従来から50%も減ったとされていますが、これはCPUの話です。GPUは非常に高性能なImmortalis-G720を採用することが確実視されているため、こちらは確実に消費電力が増えることになるでしょう。
製造プロセスはDimensity 9200と同じTSMC 4nmプロセスに基づくN4Pとされているため、製造プロセスの改善による性能向上や消費電力の削減はあまり期待できません。Dimensity 9300は超高性能な製品に仕上がりますが、さまざまな懸念点のある超心配な製品です。