中国市場における携帯電話出荷台数が中国信息通信研究院(CAICT)によって公開されました。CAICTは中国政府の情報通信分野の主管庁である工業情報化部の直属組織です。
2019年における携帯電話出荷台数は3.89億台で、前年比-6.2%となりました。2017年が4.91億台、2018年が4.14億台なので、出荷台数減が続いています。2017年から2018年は12.3%減なので、6.2%減の2019年は善戦した方でしょうか。
中国では巨大なセールが開催される特定の月があり、京東の創業を祝う6月、蘇寧電器が開催する8月、独身の日セールの11月です。この3つのセールのある月全てで出荷台数減となっており、事は深刻に見えます。
出荷台数減との関連性は不明ですが、市場の寡占化も始まっていてHuawei、Honor、OPPO、vivo、Xiaomiがしのぎを削っている状況にあります。特にこの5社は「国産五強」と呼ばれています。「国産五強」は自社よりもシェアの高い企業からではなく、更にシェアの低い“その他”に分類される企業からの乗り換えが多く、携帯電話市場は1流ブランドと“その他”になっています。
2019年後半は5G通信が利用できる5G対応携帯電話がいくつか販売されましたが基本的に価格が高く、利用できる範囲も限られていることが要因となって出荷台数を伸ばすほどの力は持っていません。2020年は5G対応携帯電話が2019年よりも多く発表される見込みですが、5Gでないといけない魅力が一般の人にはありませんので、2020年も出荷台数を減少させるのではないかと考えています。