台湾のMediaTekは2026年4月24日、新SoCとしてDimensity 7450とDimensity 7450Xを静かに発表し、公式サイトに掲載しました。Dimensity 7400とDimensity 7400Xからの変更点は通信面とAI性能のみで、CPU性能やGPU性能は同じです。
| 名称 | Dimensity 7450 / 7450X | Dimensity 7400 / 7450X | Dimensity 7300 / 7300X |
| CPU | 4x Cortex-A78
4x Cortex-A55 |
4x Cortex-A78
4x Cortex-A55 |
4x Cortex-A78
4x Cortex-A55 |
| 識別子 | ? | r1p0
r2p0 |
r1p0
r2p0 |
| リビジョン | 65_3393
65_3333 |
65_3393
65_3333 |
65_3393
65_3333 |
| 動作周波数 | 2.60GHz
2.00GHz |
2.60GHz
2.00GHz |
2.50GHz
2.00GHz |
| GPU | Mali-G615 MC2 r1p3 | Mali-G615 MC2 r1p3 | Mali-G615 MC2 r1p3 |
| 動作周波数 | 1300MHz (?) | 1300MHz | 1047MHz |
| NPU/DSP | 6th Gen NPU | NPU 655 | NPU 655 |
| カメラ | 12-bit Imagiq 950 HDR-ISP
2億画素 |
12-bit Imagiq 950 HDR-ISP
2億画素 |
12-bit Imagiq 950 HDR-ISP
2億画素 |
| リフレッシュレート | 120Hz (WFHD+)
144Hz (FHD+) |
120Hz (WFHD+)
144Hz (FHD+) |
120Hz (WFHD+)
144Hz (FHD+) |
| エンコード/デコード | Encode: 4K@30fps H.265, H.264
Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9 |
Encode: 4K@30fps H.265, H.264
Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9 |
Encode: 4K@30fps H.265, H.264
Decode: 4K@30fps H.265, H.264, VP9 |
| RAM | LPDDR5 (6400Mbps)
LPDDR4X (4266Mbps) |
LPDDR5 (6400Mbps)
LPDDR4X (4266Mbps) |
LPDDR5 (6400Mbps)
LPDDR4X (4266Mbps) |
| ストレージ | UFS 3.1
UFS 2.2 |
UFS 3.1
UFS 2.2 |
UFS 3.1
UFS 2.2 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6E (11ax) | Wi-Fi 6E (11ax) | Wi-Fi 6E (11ax) |
| Bluetooth | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.4 |
| 位置情報 | GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC | GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC | GPS, BeiDou, GLONASS, Galileo, QZSS, NavIC |
| 通信 | 統合: 5G Modem
Sub-6GHz (DL: 3.27Gbps) |
統合: 5G Modem
Sub-6GHz (DL: 3.27Gbps) |
統合: 5G Modem
Sub-6GHz (DL: 3.27Gbps) |
| 充電規格 | - | - | - |
| 製造プロセス | TSMC 4nm N4P | TSMC 4nm N4P | TSMC 4nm N4P |
| 型番 | ? | MT6878T (7400)
MT6878TF (7400X) |
MT6878 (7300)
MT6878F (7300X) |
| 公式サイト | 7450 / 7450X | 7400 / 7400X | 7300 / 7300X |
新たに発表されたDimensity 7450と7450Xの主な仕様は、製造プロセスがTSMC 4nm N4P、CPUは最大2.60GHzで動作するCortex-A78と最大2.00GHzで動作するCortex-A55を4+4構成で採用、GPUはMali-G615 MC2、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、モバイルデータ通信は5Gをサポートします。
Dimensity 7400とDimensity 7400Xからの進化点は、統合しているモデムが3GPP Release 17に準拠したものに変更されたこと、AI性能が向上したことです。そのため、特定の動作が改善するといったことは無いです。
モデムの進化については専門外なので詳しく書けませんが、3GPP Release 17は2022年6月に策定が完了した仕様で、主にウェアラブル製品向けの改善が多いですが、スマートフォン向けにおいては省電力性の向上が期待できるようです。しかし、この3GPP Release 17の活用はこれから進むようで、SoC側が準拠したと発表しても通信事業者がそれに対応しないと効果を実感することは出来ません。
次にAI性能ですが、Dimensity 7450と7450Xは前世代となるDimensity 7400と7400Xから最大7%向上したようです。MediaTekはNPUの名称を6th Gen NPUとしていますが、仕様を考慮するとNPU 655で間違いないでしょう。それを踏まえると、Dimensity 7400と7400XのAI性能はDimensity 7300と7300Xから最大15%向上したとしているので、Dimensity 7300からDimensity 7450は約23%向上したことになります。
ちなみに、末尾に付与されている「X」はデュアルディスプレイをサポートしていることを意味しており、フリップ型のフォルダブル製品向けです。しかし、それは絶対にフォルダブル製品に採用しないといけないわけではなく、UlefoneがシングルディスプレイのArmor 34+とArmor 34 Pro+で採用しており、あくまでもオプション的に存在しています。
通常、モデムは物理的な手を加えずに新しい仕様に準拠させることは不可能です。その前提があるので、Dimensity 7450と7450Xは新しいシリコンで製造したのではないかと考えてしまいますが、Dimensity 7300と7300Xの時点で既に3GPP Release 17に準拠していたものの、様々な事情によって旧規格の3GPP Release 16に準拠した状態で発表した可能性があります。その事情はライセンス料であったり、完全版として残したり、認証が間に合わなかったりと複数考えられます。
現在、Dimensity 7450と7450Xを搭載した製品はなく、採用を表明した企業もありません。一応、Dimensity 7400もしくは7400Xを採用した企業としてMotorolaやNubia、Ulefoneなどがあり、それらの企業はいつか発表する新製品に搭載するのではないかと考えています。
その中でMotorolaとNubiaは日本市場でDimensity 7400Xを搭載した製品を展開しており、それぞれmotorola razr 60とnubia Flip 3です。Dimensity 7450と7450Xは通信面の進化があるので通信事業者と相性が良く、キャリアが取り扱う製品としてぴったりのため、それぞれの後継製品が投入される可能性はかなり高いです。

