中国のHuaweiは2024年5月15日に新製品発表会を開催し、新製品としてHUAWEI MatePad 11.5Sを発表しました。今回、その製品の柔光版がKirin 9000WEとKirin 9000WLを搭載していることが確認できたため、すでに投入されているKirin 9000Wと簡単にですが表にして比較します。
| 名称 | Kirin 9000W | Kirin 9000WE | Kirin 9000WL |
| CPU | 1x TaiShan-Big
3x TaiShan-Mid 4x Cortex-A510 r1 |
1x TaiShan-Big
3x TaiShan-Mid 4x Cortex-A510 r1 |
1x TaiShan-Big
3x TaiShan-Mid 4x Cortex-A510 r1 |
| 動作周波数 | 2.49GHz
2.15GHz 1.53GHz |
2.49GHz
2.15GHz 1.53GHz |
2.49GHz
2.15GHz 1.53GHz |
| GPU | Maleoon 910 3CU | Maleoon 910 3CU | Maleoon 910 3CU |
| 動作周波数 | 750MHz | 750MHz | 750MHz |
| NPU/DSP | Da Vinci Architecture 3.0 (?) | Da Vinci Architecture 3.0 (?) | Da Vinci Architecture 3.0 (?) |
| カメラ | Kirin ISP 7.0 (?) | Kirin ISP 7.0 (?) | Kirin ISP 7.0 (?) |
| リフレッシュレート | ? | ? | ? |
| エンコード/デコード | ? | ? | ? |
| RAM | LPDDR5 (3200MHz) | LPDDR5 (3200MHz) | LPDDR5 (3200MHz) |
| ストレージ | UFS 3.1 | UFS 3.1 | UFS 3.1 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6 (11ax) | Wi-Fi 6 (11ax) | Wi-Fi 6 (11ax) |
| Bluetooth | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 |
| 位置情報 | ? | ? | ? |
| 通信 | - | - | - |
| 充電規格 | HUAWEI SuperCharge | HUAWEI SuperCharge | HUAWEI SuperCharge |
| 製造プロセス | SMIC 7nm N+2 | SMIC 7nm N+2 | SMIC 7nm N+2 |
| 型番 | ? | ? | ? |
この表を見るとわかりますが、「Kirin 9000W = Kirin 9000WE = Kirin 9000WL」となっています。どういった理由で名称が異なるのか、それはHuaweiのみぞ知る状態になってしまっています。
それらの製品の主な仕様は、SMIC 7nm N+2、CPUは最大2.49GHzで動作するTaiShan-Bigと最大2.15GHzで動作するTaiShan-Midと最大1.53GHzで動作するCortex- A510 Refreshedを1+3+4構成で採用、GPUは最大750MHzで動作するMaleoon 910 3CU、RAM規格はLPDDR5、内蔵ストレージ規格はUFS 3.1、モバイルデータ通信は非対応です。
CPUは、すべての製品が共通して超高性能なTaiShan-Bigが最大2.49GHzで動作します。TaiShan CPUはHiSiliconの革新的な開発により、SMT (同時マルチスレッディング)に対応していますので、これらは1コア・2スレッドとなります。この製品たちはTaiShan CPUを共通して採用しているので、最終的には8コア・12スレッドの製品となります。
GPUもすべての製品で共通しており、最大750MHzで動作するMaleoon 910 3CUを搭載しています。いずれかの製品が4CUであったり2CUであったりすることなく、共通して3CUとなっているので理論上は同じ性能を発揮します。
NPUはHuaweiがこの製品たちの存在を明らかにしていないので不明です。可能性としてはこの部分に違いがありそうな気がします。ちなみに、HUAWEI Mate 60シリーズが搭載しているKirin 9000SはひとつのAscend LiteとひとつのAscend Tinyの1+1で構成されています。
HUAWEI Mate 40シリーズが搭載したKirin 9000の場合、GPUとNPUが欠けたのがKirin 9000E、そこからさらにCPUが欠けたのがKirin 9000Lとなっていました。それと比較すると今回のKirin 9000Wはわかる範囲ではすべて同じとなっているため、なにが異なっている (欠けた)のか現時点ではわかりません。
Kirin 9000WEとKirin 9000WLを初搭載したのはHUAWEI MatePad 11.5S 柔光版ですが、RAM容量によって搭載しているものが異なり、8GB版は後者のKirin 9000WL、12GB版は前者のKirin 9000WEを搭載しています。
容量は8GB+256GBと12GB+256GB、12GB+512GBを用意しています。それぞれの価格は2599元 (約52,500円)、2899元 (約58,500円)、3299元 (約66,500円)に設定されています。