SMIC、理論上は5nmプロセスまで量産が可能か

SMIC、理論上は5nmプロセスまで量産が可能か

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中国のSMICはHuaweiのKirin (麒麟)の製造を行っていますが、トランプ政権下に発生した制裁によって10nmプロセス未満の先端プロセスの製造が困難になっています。しかし、韓国の教授によると5nmプロセスまでは量産できる可能性が示唆されました。

 

韓国で行われたイベントに登壇した成均館大学校 (Sungkyunkwan University)で教鞭をとるクォン・ソクチュン (Kwon SeokJoon)教授は、同氏が導き出した計算式に基づくと、DUV (深紫外線)露光とSAQP (Self-Aligned Quadrable Patterning / 自己整合四重パターニング)を利用した5nmプロセスの歩留まりは最大で44.8%になると報告しました。

 

しかし、さらに高い技術を利用するEUV (極端紫外線)露光では5nmプロセスは73.9%としていますので、決して高い歩留まりではありません。このEUV露光での製造を100%とするとDUV露光とSAQPを利用した場合は約60.6%の歩留まりとなります。

 

ただ、理論上は量産ができると見てもいいでしょう。その理由は、ある企業の初期の4nmプロセスの歩留まりが40%を切っていた時があったためです。また、規格不適合品を上手に活用する開発を行えば製造した製品を複数のモデルにして展開することも可能です。

 

さらに高い技術を要する3nmプロセスでは、EUV露光では60.4%なのに対しDUV露光の場合は15.8%となるため、EUV露光を利用しない5nmプロセス未満の量産は不可能と見てもいいでしょう。

 

そして、2024年時点で台湾のTSMCや韓国のサムスンファウンドリ、アメリカのIntel Foundry Services (IFS)も量産に成功していない2nmプロセスにおいてはさらに厳しい数値が算出されています。

 

その数値はEUV露光の場合は54.6%とこの場合でも決して高くない状態なのに対し、DUV露光の場合は10%未満となる7.65%と算出されています。DUV露光を活用し、EUV露光を使用しないで歩留まりを上げるには従来の常識をひっくり返す技術の発明が必要です。

 

 

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