Androidの開発を手掛けるGoogleがRISC-V (リスク ファイブ)をTier1 Platformと認識する方向で動いており、将来的にはRISC-Vを採用したSoCを搭載したAndroid製品が出るかもしれないと考えたので、将来に慌てふためかないように「RISC-Vの今」を知りたいと思いました。
今回はRISC-Vアーキテクチャを採用したプロセッサコアを開発しているアメリカ合衆国のファブレス企業SiFive (サイファイブ)に注目してみます。同社はSiFive Performance Familyを開発しており、2022年11月にP670とP470を発表しているので、詳細な部分はCPUやSoCに詳しいメディアや媒体にまかせて私が理解した部分を簡単にまとめます。
CNX Softwareが共有した画像によると、SiFiveは2023年の製品として P670とP470を発表しました。P670はP650の後継製品ですが、P470とP450は新しく発表された製品です。
P670はCortex-A78に、P470はCortex-A55に匹敵する製品で、P670は5nmプロセスで製造された場合は最大3.40GHzに達することが出来るようです。性能は12 SpecINT2k6/GHzを超える性能を発揮しますが、実はCortex-A78よりも5%ほど性能が低いようです。しかし、コンピューティング密度はP670はCortex-A78の倍となるため、確かな優位点はあります。
P470はCortex-A55に匹敵する製品で、高性能側のP670と同じく5nmプロセスで最大3.40GHzに達することが出来るとしています。性能は8 SpecINT2k6/GHzを超え、Cortex-A55と比較して2.75倍の性能を発揮できるとしています。
そして、性能だけでなくエリアもCortex-A55比で30%も小さく、コンピューティング密度は4倍としており、こちらは圧倒的な優位性があると感じます。
新製品となるP670とP470は128ビット RISC-V Vector ALU (Arithmetic Logic Unit)が含まれており、前者はふたつ、後者はひとつとしています。同時に発表した名称の近いP450はP470からVector ALUを除いただけで同じスペックとしています。
ちなみに、P470とCortex-A55の性能の比較に用いたピークシングルスレッド性能は、双方とも7nmプロセスで製造され、前者は最大2.97GHzで後者は最大1.88GHzとしています。