サムスン電子のファウンドリ事業部が、4nmプロセスにおいてAMDとの契約を締結したと韓国メディアが報じました。
韓国メディアのGlobal Economicは2023年5月2日、スペインのテックブログの情報を引用し、AMDがTSMCにのみ依存してきた製品の製造をサムスン電子のファウンドリ事業部にいくつかの製品を製造する依頼を行ったと明らかにしました。
同メディアによると、TSMCの4nmプロセスはライバル企業のAppleとQualcommに対して優先権を付与しており、AMDは次の製品の発売を滞りなく行うためにサムスン電子と交渉を続け、最終的に締結に至ったようです。
2023年1月に発表されたラップトップ向けAPUのAMD Ryzen 7040シリーズは、AMDが予定していた発表時期に合わせられず、いくつか遅れたとされています。そのため、同社は、これらの製品を適切な時期に生産するために、サムスン電子の4nmプロセスでの製造を委託したと見られています。
しかし、多くの収益を生み出す高性能な製品に関しては引き続きTSMCで製造し、収益性の低い低性能な製品をサムスン電子で製造する予定なので、AMDはTSMCでの製造に重きをおいており、すべての製品の製造をサムスン電子に委託したわけではありません。
韓国メディアは、サムスン電子は3nmプロセスの量産も開始していますが、AMDとの契約は4nmプロセスでの製造のため、今回の製造に成功すると、AMDと3nmプロセスでの製造委託を勝ち取ることが出来るのではないかと予想しています。
サムスン電子の3nmプロセスは業界に先駆けてGAA構造を採用しており、従来のFinFET構造と比較していくつかの指標で上回るとされています。競合他社のTSMCは2nmプロセスでGAA構造を採用する予定で、3nmプロセスではFinFET構造を引き続き採用します。