UNISOCのSC9863AとSC9863A1の違いが判明、製造プロセスが22nmに微細化

UNISOCのSC9863AとSC9863A1の違いが判明、製造プロセスが22nmに微細化

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ある時からSC9863AではなくSC9863A1を搭載した製品がいくつか発表されており、「名称が異なる=何かが異なる」と思ったのでUNISOCの公式微博アカウントに尋ねたところ、違いが判明したので共有します。

 

UNISOCによると、SC9863Aは28nmプロセスで製造し、SC9863A1は22nmプロセスで製造しているようです。多くのメディアでは同じものとして扱っていますが、UNISOCの回答によるとSC9863A1の方が微細化されたプロセスノードで製造されているので、残念ながら「同じではありません」。

 

SC9863AとSC9863A1は共にTSMCで製造されているのでTSMCの公式サイトで22nmの解説を見てみると、22nmは28nmに基づいて開発されており、22nm Ultra-Low Power(22ULP)は28nm High-Performance Compact(28HPC)と比較して、30%以上の高速化と30%以上の電力削減を実現したようです。プロセス認定は2018年Q4(10月-12月)に行われているので、やや古い製造プロセスと言えます。

 

製造プロセス以外の違いはないと明らかにしていますので、CPUはCortex-A55のみを採用し、エントリークラスの製品が搭載する予定のSoCであることは変わりありません。ただ、前述の通り製造プロセスは違っているので、同じSoCではないことは気をつけてほしいと思います。

 

名称 SC9863A1 SC9863A
CPU 4x Cortex-A55

4x Cortex-A55

4x Cortex-A55

4x Cortex-A55

動作周波数 1.60GHz+1.20GHz 1.60GHz+1.20GHz
GPU PowerVR GE8322 PowerVR GE8322
動作周波数 550MHz 550MHz
NPU/DSP ? ?
カメラ 1600万画素+500万画素 1600万画素+500万画素
リフレッシュレート ? ?
エンコード/デコード Encode: 1080p@30fps H.265, H.264, VP8

Decode: 1080p@30fps H.265, H.264, H.263, VP9, VP8, MP4

Encode: 1080p@30fps H.265, H.264, VP8

Decode: 1080p@30fps H.265, H.264, H.263, VP9, VP8, MP4

RAM LPDDR4X

LPDDR4

LPDDR3(933MHz)

LPDDR4X

LPDDR4

LPDDR3(933MHz)

ストレージ eMMC 5.1 eMMC 5.1
Wi-Fi Wi-Fi 4 Wi-Fi 4
Bluetooth Bluetooth 4.2 Bluetooth 4.2
位置情報 GPS, GLONASS, BeiDou GPS, GLONASS, BeiDou
通信 LTE Cat.7

(300Mbps/100Mbps)

LTE Cat.7

(300Mbps/100Mbps)

充電規格 ? ?
製造プロセス TSMC 22nm 22ULP TSMC 28mm 28HPC+
型番 ? ?

新しいSoCが発表された際は上のようなスペック表を作成し過去の製品と比較しているので、今回もSC9863A1という新しいSoCが誕生したことを記念してSC9863Aと比較するスペック表を作成しました。違いは前述の通り製造プロセスしかありませんが、スペック表を作って残しておくのには意味があると考えています。

 

UNISOCのSC9863A1の主なスペックは、製造プロセスはTSMC 22nm 22ULP、CPUは1.60GHzのCortex-A55を4基と1.20GHzのCortex-A55を4基の4+4構成、GPUはPowerVR GE8322、RAM規格はLPDDR4Xに対応、内蔵ストレージ規格はeMMC 5.1に対応、5G通信に非対応で4G通信に対応、Wi-Fi 4対応、Bluetooth 4.2対応となっています。

 

製造プロセスからわかるかも知れませんが、その他の部分を見るとCPUがCortex-A55で構成されているのでエントリー向けのSoCとして世に出ており、主に発展途上国向けの製品が搭載しています。競合する製品はExynos 850やHelio G35となりそうで、日本に在住している人はあまり縁がないかも知れません。

 

このSoCを搭載したと明言したのは2022年11月に発表されたBlackview A52ですが、2022年9月に発表されたrealme C30sが搭載しているとの情報があるので、初搭載をしたのは後者の製品の可能性があります。ただ、詳しく調べるとNokia C21 PlusがSC9863AからSC9863A1に変更しているとのFCCの認証情報も見つかったので、厳密にどの製品が初搭載をしたのか現時点では不明です。

 

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