世界的に有名なOSのひとつのAndroidを開発しているGoogleが、現在、大きな注目を集めているRISC-V(リスクファイブ)をAndroidでサポートすることを公式に発表しました。
RISC-Vは略語で、正式な名称は「Reduced Instruction Set Computer V」です。このRISC-Vの大きな特徴は、フリーでオープンな命令セットアーキテクチャ(ISA)で、ライセンス料やロイヤリティを支払う必要がありません。そのため、低コストなプロセッサを開発したり、ArmやIntel、AMDなど巨大な企業からの依存度を減らすことも出来ると注目されています。
Googleは2022年12月に開催されたRISC-V Summitで、AndroidがRISC-Vをサポートすると公式に表明しました。脱Armを目論む企業がいくつかあるようですが、それらの企業にとっては非常に嬉しいニュースです。
現時点では、RISC-V用の限定的なバージョンのAndroidをダウンロードできますが、Javaワークロード用のAndroid Runtime(ART)はサポートされていません。Androidで提供されているアプリの大部分はJavaコードで構成されているので、現時点ではAndroid環境においてRISC-Vをサポートするものはありません。
そんな中、今回の発表によると、エミュレータの公式サポートはまもなく開始され、ARTサポートは第1四半期に提供されると明らかにされました。ARTサポートが開始されると、JavaがRISC-V用に変換されるので、開発者が無駄な労力を使うことなくほとんどのアプリが動作するようになります。
また、AndroidのエンジニアディレクターのLars Bergstorm氏は、今回のサミットで、RISC-VをAndroidの「ティア1プラットフォーム」と見なすことを望んでいると述べ、これはArmと同等の扱いを行いたいことを意味します。
RISC-Vはまだまだ歴史が浅いものではありますが、多くの国と企業が注目しているものなので、何かしらの形として世の中に出てくると考えています。それがゲームチェンジャーになるのかは不明ですが、今回の発表は今後が非常に楽しみになり、ひとつ歴史が変わる瞬間となるかもしれません。