2022年11月の発表を控えているSnapdragon 8 Gen 2を搭載した北米市場向けのGalaxy S23がGeekbenchに登場しました。例年、サムスン電子のGalaxy S系列は市場によって搭載するSoCが異なっていますが、2023年はすべての市場でSnapdragonを搭載する予定です。
今回姿を表したGalaxy S23の型番はSM-S911Uで、末尾が「U」なので北米市場向けとわかります。この市場はSnapdragonを搭載し続けている市場で、昨年のGalaxy S22系列はSnapdragon 8 Gen 1を搭載しました。
Snapdragon 8 Gen 2のCPUの仕様は、3.36GHzを1基、2.80GHzを4基、2.02GHzを3基の1+4+3構成を採用しており、通例となっていた1+3+4構成とは異なった構成を採用しています。
気になる性能は、シングルコア性能が1,524点、マルチコア性能が4,597点で、Snapdragon 8 Gen 1の性能が1,247点と3,803点、Snapdragon 8+ Gen 1の性能が1,326点と4,274点となっているため、すべての性能で前作を上回りました。(いずれの性能は良い性能を発揮した場合)
開発者コードを利用して詳しく見ると、識別子が3406と判明し、これはCortex-X3を意味しますので、Snapdragon 8 Gen 2はCortex-X3を搭載するとわかりました。
この他、CPUは3.36GHzを1基、2.80GHzを4基、2.02GHzを3基の1+4+3構成を採用しており、3.36GHzはCortex-X3、2.02GHzはCortex-A510を採用しているとわかります。そして、2.80GHzを4基の部分はGeekbenchの弱点が影響している可能性があり、同じ動作周波数の場合は同じCPUと認識するため、実際はリーク情報通りのCortex-A715を2基とCortex-A710を2基と考えています。
そのため、詳しい仕様に記載し直すと、3.36GHzのCortex-X3を1基、2.80GHzのCortex-A715を2基、2.80GHzのCortex-A710を2基、2.02GHzのCortex-A510を3基の1+2+2+3構成となるでしょう。
GPUはAdreno 740を採用しており、Snapdragon 8 Gen 1系列はAdreno 730を採用していたため、世代は進化せず性能が進化する形になります。
発揮された性能は1,524点と4.597点でしたが、実際は3.0GHzに満たない動作周波数で動作しており、パフォーマンスが抑制された状態でSnapdragon 8 Gen 1系列の性能を上回ることに成功しました。そのため、正しく性能が発揮されると今回の性能よりも高い数値が算出されるので、さらなる進化の余地があります。