AnTuTuが過去に公開したExynos 1080のベンチマークスコアはExynos 1080のものではない可能性

AnTuTuが過去に公開したExynos 1080のベンチマークスコアはExynos 1080のものではない可能性

Processor/Platform

AnTuTu BenchmarkやAITUTU Benchmarkを開発・提供しているAnTuTuは過去にSamsung製ミドルレンジ帯向け5G通信対応SoCとなるSamsung Exynos 1080のAnTuTu Benchmark v8スコアを公開しましたが、Exynos 1080が正式発表されたことによってその情報に齟齬が発生したため、もしかするとExynos 1080のスコアではない可能性が出てきました。

 

AnTuTuは2020年10月12日にSamsung Exynos 1080を搭載した機種と思われる“ORION”のベンチマースコアを公開し、その性能はCPU性能が181,099点、GPU性能が296,676点、MEM性能が115,169点、UX性能が99,656点で総合性能は693,6000点という結果になっています。このスコアはQualcommは2020年のハイエンド製品向けに発表したSnapdragon 865 5GSnapdragon 865 Plus 5Gよりもスコアが高く、Exynos 1080は2021年のミドルレンジ帯向けに開発していることがSamsungから明らかになっていたので大きな衝撃を与えました。

 

AnTuTuは“ORION”が搭載しているSoCのおおよそのスペックを公開し、CPUに4つのARM Cortex-A78+4つのARM Cortex-A55を採用し最大周波数は3.0GHz、GPUにARM Mali-G78を採用していることが明らかにしています。しかし、Exynos 1080のスペックはCPUは1xARM Cortex-A78(2.8GHz)+3xARM Cortex-A78(2.6GHz)+4xARM Cortex-A55(2.0GHz)のオクタコア構成で、GPUはARM Mali-G78 MP10を採用している事が公開されたため、CPUに4つのARM Cortex-A78+4つのARM Cortex-A55を採用しているという点は合っていますがCPUの最大周波数がAnTuTuは3.0GHzと公開しているのに対し実際の製品は2.8GHzとなっているため、これは間違いなく異なった点と言えるでしょう。

 

また、著名リーカー@数碼閑聊站(@Digital Chat Station)氏は「Exynos 1080を搭載したプロトタイプ製品はシステム上では1xARM Cortex-A78(2.7GHz)+3xARM Cortex-A78(2.5GHz)+4xARM Cortex-A55(2.0GHz)と表示され、ソフトフェア上では1xARM Cortex-A78(2.8GHz)+3xARM Cortex-A78(2.6GHz)+4xARM Cortex-A55(2.0GHz)と表示されている」と過去に投稿し、これは実際の製品がソフトウェア上に表示されているスペックになることを表しており、Exynos 1080は当初CPUの周波数は2.7GHz+2.5GHz+2.0GHzで開発されていたことがわかります。この点からもAnTuTuの公開した“ORION”はExynos 1080を搭載していない可能性があることが伺えます。

 

そして、MediaTekは2020年11月10日に開催したMediaTek Executive Summit 2020にてTSMC 6nm EUV製造プロセスとCPUに3.0GHzのARM Cortex-A78を採用した製品の発表を予告しており、この製品はCPUがARM Cortex-A78を採用し周波数が3.0GHzとなっているので“ORION”が搭載しているSoCと一致しますので、AnTuTuがExynos 1080だと勘違いしたのはMediaTekの次期ハイエンド向けDimensity 5G製品の可能性があると考えています。

 

AnTuTuの公開した“ORION”の搭載しているSoCとExynos 1080のスペックが合致しないと言いたいだけなので、Exynos 1080の実際の性能がAnTuTuの公開した693,600点よりも優れているのか劣っているのか不明です。ただ、SamsungはExynos 1080のAnTuTu Benchmark v8におけるスコアは650,000点を超えていることを公表しているため、この数字だけでもSnapdragon 865 5GとSnapdragon 865 Plus 5Gのスコアを越しているのでそれ程大きな心配は必要ないと考えています。Exynos 1080はvivoが初搭載機を発表する予定で、その初搭載機はvivo X60とvivo X60 Proになる見込みです。このvivo X60シリーズ製品は2021年Q1に発表される予定とされているため、実際の性能が明らかになるにはもう少し掛かりそうです。