2017年のフラッグシップSoC、Snapdragon 835(MSM8998)、Helio X30(MT6799)、Exynos 9(Exynos 8895)を表向きのスペックで比較

2017年のフラッグシップモデルに搭載すると見られている3つのSoC、QualcommのSnapdragon 835、MediaTekのHelio X30、SAMSUNGのExynos 8895を表向きのスペックで比較をしたいと思います。

今のところ全てのSoCで販売まで行われているものがありませんので、操作感の比較ではないことをご了承ください。

Snapdragon 835はSONY Xperia XZ Premium、Helio X30はvernee Apollo 2、Exynos 8895はGalaxy S8 / S8+が最初に搭載されると言われています。

 

スペック表

SoCの大きな役割を担う所を表にすると以下のようになります。

概要
名称 Snapdragon 835 Helio X30 Exynos 8895
アーキテクチャ Kyro 280 Cortex A73 + A53 + A35 Exynos M2 + Cortex A53
コア数 4 + 4 2 + 4 + 4 4 + 4
プロセス 10nm 10nm 10nm
最高クロック 2.45 GHz 2.5 GHz 2.5 GHz
最低クロック 1.9 GHz 1.9 GHz 1.7 GHz
GPU Adreno 540 PowerVR 7XTP-MP4 Mali-G71 MP20
メモリ LPDDR4x LPDDR4x LPDDR4x
ストレージ UFS 2.1

SD 3.0(UHS-I)

 

UFS 2.1 UFS 2.1

SD 3.0(UHS-I)

LTEカテゴリ Cat. 16 Cat. 10 Cat. 16
全網通(CDMA2000の有無) ×

この表をパッと見て気付くことは、Helio X30のストレージ規格に外部SDカードの読み書きスピードを表すSD 3.0に非対応(記述なし)、LTEカテゴリがCat. 10(下り450Mbps / 上り100Mbps)で劣っていること、Exynos 8890にはCDMA 2000の通信ができないというところでしょう。

最近はファームウェアが1GBを有に超えたりするなどファイル容量の肥大化が進んでいますので、そのようなファイルを外部SDカードに保存しておくという方にとってはHelio X30の読み書きの遅さは少々ダメージが有るのではないかと思います。

ただ、旧モデルにはなりますが中国メーカーのスマートフォンはSnapdragon 821を搭載していながらも外部SDカードスロットがないというものも多く、もしSnapdragon 835を搭載するスマートフォンがリリースされても今までの流れで外部SDカードスロットがない可能性が高く、Helio X30も対応している内蔵ストレージの規格であるUFS 2.1が大きな役割をにない、その差は余り実感できないかもしれません。

中国メーカーのスマートフォンに外部SDカードが搭載されない大きな理由として、メーカーが独自のクラウドストレージを有しているものが多く、そちらを利用してもらうために内蔵ストレージで済ませてしまうのでしょう。更に、中国で最大の検索エンジンを提供する企業「Baidu」やアンチウイルスソフトウェアを展開している「奇虎360」などもクラウドストレージサービスを展開していて、無料で2TB(テラバイト)も利用できたりするので、わざわざ外部SDカードに保存するというのがメジャーではないかもしれません。

 

LTEカテゴリの差はとても大きく、LTE Cat.16の下りは最大1.0Gbpsで受信することが出来、今現在開発の進んでいる次世代移動通信システムの5G(仮称)をいち早く体感することが出来ます。という所を考えるとHelio X30は他の2つよりも劣っていると考えるのが正解でしょう。

しかし、まだ5G(仮称)サービスを開始したところはなく、Snapdragon 835を搭載したスマートフォンを使用しても体感できないため、サービス開始まではほぼ同じ土俵に立っているといえるので、そこまでは大きな差がないのではと思います。

 

全網通であるかという判断で使われるCDMA 2000は中国では中国電信、台湾では亞太電信、日本ではau、アメリカではSprintなどが使用している帯域で、SAMSUNGはCDMA 2000を採用しているキャリアにおいてExynos 8895を搭載したモデルを販売することが出来ず、Snapdragon 835を搭載したモデルを販売しないといけません。

今は通信できませんが、2017年Q3 /Q4を目処に開発をしている新モデム「Shannon 359」はCDMA2000の通信が可能なようで、その技術が可能になるとSAMSUNGはほぼ自社製のもので各国・各キャリアで販売することが可能になります。

 

スマートフォンのスペックを数値化するAntutuベンチマークは、現在リークしているSnapdragonのスコアは181,434点ですが、その中の75,000点程が3Dスコアで、Antutuベンチマークにおいて優位に立つには3D処理の強さが大切になります。

そう考えると、Exynos 8890のMali-G71は20コアという異常な数を積んでいるので3D処理は問題ないでしょうが、Helio X30のPowerVR 7XTPのどんなに性能が良くとも、4コアしか搭載していないのでマシンパワー不足が疑われます。

ゲームをしないのであればCPU性能が主となってきますが、これに関してもHelio X30はSnapdragon 835よりも遅れを取っており、やはりHelio X30は2つと比較すると劣っているといえます。

 

この3つのSoCを比較すると、Snapdragon 835とExynos 8895の差は未知数ですが、Helio X30はこの2つ大きな差が有るということがわかりました。

HuaweiのフラッグシップSoC「Kirin 960」はスペックだけで考えると旧モデルのSnapdragon 821よりも劣っているというのが現実ですので、今回の比較にはいれておりません。

このような比較をしましたが、スマートフォンにおいて一番重要なのは“操作感”ですので、全くチューニングされていないSnapdragon 835としっかりとチューニングしているHelio X30ではほぼHelio X30に軍配が上がると思いますので、今回の比較はあくまでも参考程度としておさめていただければなと思っています。

 

HiSilicon製の新SoC「Kirin 960」をKirin 950、Snapdragon821、Exynos 8890と比較した記事がありますので、是非読んでみて下さい。

 

参考