Snapdragon 675にはGPUクロック数が異なる2モデルが存在している可能性

Snapdragon 675にはGPUクロック数が異なる2モデルが存在している可能性

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Qualcommが2018年10月に発表したSnapdragon 675はXiaomiのサブブランド製品のRedmi Note 7 ProやMeizu Note9を始めとするミドルハイモデルに搭載されています。主な構成としてKryo 460(2xA76+6xA55)のオクタコア製品でクロック数が2.0GHz+1.7GHz、GPUはAdreno 612が搭載されています。4800万画素のスナップショットに対応していることで大きな話題を呼びました。

今回、Snapdragon 675にはGPUクロック数が異なる2モデル展開が行われている可能性が出てきました。

 

本日4月17日に中国市場向けにSnapdragon 675を搭載したSamsung Galaxy A70が発表されましたが、内部ファイルに存在しているGPUクロック数の設定値に他のスマートフォンと異なる点を発見しました。Galaxy A70に搭載されているSnapdragon 675のGPUのAdreno 612のクロック数は745MHzが最大ですが、Redmi Note 7 Proは公式サイトに845MHzが最大となっています。

Galaxy A70は内部ファイルなのでRedmi Note 7 Proの記載が間違っていると考えるのが普通ですが、CPU性能やGPU性能を総合的に計測できるAnTuTuベンチマークでは数値が異なっており、どちらも間違っていない可能性が高いです。今回、どの様に異なっているのか簡単に見ていきます。

 

今回はGalaxy A70とRedmi Note 7 Proの他に信憑性を持たせるために同じくSnapdragon 675を搭載したMeizu Note9とvivo V15 Proを参考として追加しています。Galaxy A70を除いて3機種は18万点に近い数値を算出しているのに対して、Galaxy A70は17万点に近い数値が算出されています。Galaxy A70のスコアは総合的に低いですが、特にCPU性能とGPU性能は使用感に直結しますので詳しく見ます。

 

CPU性能はRedmi Note 7 Proが特別高いですが、Meizu Note9とvivo V15 ProとGalaxy A70とは大きな差はないように見受けられます。全ての機種においてCPUクロック数はQualcommの表記通り2.0GHz+1.7GHzと記載されているので違いはありませんでした。Redmi Note 7 Proのスコアが抜きん出て高いのは「最適化」が考えられます。

注目すべきなのはGPU性能で、CPU性能では抜きん出ていたRedmi Note 7 ProですがGPU性能は他のMeizu Note9とvivo V15 Proと差が全くなりました。一方でGalaxy A70は3機種と比べると3,000点ほど低く3機種には独自のカスタムスキンが採用されていますが差がありませんのでこれはソフトウェアではなくハードウェア、つまりSnapdragon 675に何か違いがあるとみるべきでしょう。先程Redmi Note 7 ProのGPUは845MHzに設定されているのに対してGalaxy A70は745MHzに設定されていると言いましたが、これだけスコアが異なれば本当に異なっていると思います。

 

情報をまとめると上図のようになります。Qualcomm Snapdragon 675にはCPUクロック数や製造プロセスは同じだけれども、GPUクロック数が異なったモデルが存在しています。過去にはSnapdragon 660がCPUとGPUともにクロック数が異なっていて高クロックモデルと低クロックモデルが存在していたという例(参考記事1/参考記事2)がありますが、こちらはCPUクロック数が異なっているのでスペック表から消費者が違いを理解することが出来ました。しかし、今回の例はQualcommが公開していないGPUのクロック数が異なっているので見分けが全く付きません。見方によっては悪質です。

「微々たる差」であることは間違いありませんが、完全なものを望んでいる人にとっては嬉しくないかもしれません。今の所Galaxy A70のみが低クロックモデルを採用していることが明らかになっていますが、これから発表される製品にそれが搭載されるかはAnTuTuベンチマークで計測してみないとわからないのが現状です。なので、高クロックモデルを購入したい場合はAnTuTuベンチマークのスコアを待ってみるのがいいと思います。

 

Snapdragon 675は大変優れたものであることは間違いありませんし、昨今はアプリ側が快適にプレイ出来るように最適化を行っているので違いを感じることはないと思います。気にする方は吟味してからの購入をおすすめします。

 

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