HiSilicon Kirin 710はHuawei P9/P9 PlusのKirin 955と同程度の性能

HiSilicon Kirin 710はHuawei P9/P9 PlusのKirin 955と同程度の性能

2019年2月13日
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Huaweiが2018年7月に発表したミドルレンジモデル向けプロセッサー「HiSilicon Kirin 710」は2016年4月に発表されたHuawei P9とHuawei P9 Plusに搭載されているKirin 955と同程度の性能であることがわかりました。

今回、Kirin 710とKirin 955が同程度の性能であるとわかった理由をAnTuTuベンチマークとGeekbenchを用いて簡単に説明をしたいと思います。Huawei P9はフラッグシップモデルとして販売されているので、ミドルレンジモデルのKirin 710を搭載した製品に乗り換えるのは乗り気ではないでしょうが、よく見ると乗り換え先としてぴったりであることがわかります。

 

スペック表は上図です。今回の比較に必要のないと考えられるであろうKirin 659とKirin 960を載せているのは、Kirin 710がKirin 659の実質的な後継機として発表されている事とKirin 960はKirin 710とKirin 955が同程度の性能ということで、Kirin 960とはどれほどの差があるのか理解していないと混乱を招く可能性を危惧したからです。

Kirin 710とKirin 955を見るとCPUのクロック数が異なっていますが4xA74+4xA53という構成は同じで、似ているところがあると実感できます。クロック数はフラッグシップモデル向けとして開発されているKirin 955が上回っていますが、製造プロセスはKirin 710がより小さい12nm FinFETを採用しており、差がそこまで大きくない可能性があります。

LTEカテゴリーはKirin 710はCat.12/13ということでより速い通信速度を体感でき、実使用感でも大きく変わっていることが理解できると思います。

 

AnTuTuベンチマークではKirin 710が137,121点、Kirin 955が138,916点という近い数字が算出されました。細かいところを見ていくとCPU性能はわずかにKirin 710が上回っていますが約300点は誤差の範囲内と言えます。一方でGPU性能はKirin 710が22,116点でKirin 955が29,224点で7,000点の差が生まれており、明らかに差があると理解できます。しかし、Kirin 710には3Dを多く使用するゲームでGPUの動きを最適化するGPU Turboがありますので「快適度」はKirin 710の方が高い可能性があります。

MEM性能にも差が生まれており、アプリをたくさん起動させるタイプの人はKirin 710搭載機を買ったほうが満足できます。

 

GeekbenchではCPUそのものの性能を計測するのに長けています。シングルコア性能とマルチコア性能ともにクロック数の高いKirin 955がKirin 710を上回りました。CPUの性能はKirin 955の方が優れていますが、製造プロセスが微細化されているKirin 710の方が安定性は高く、一概にGeekbenchでの性能が高いから優れているとは言えません。

Kirin 960とは明確な差があり、特に複数のアプリや作業を行うと性能の差に気づくかもしれません。

 

Kirin 955とKirin 710は性能が近く、乗り換え先の候補として誤っていない選択であることがおわかりいただけたかと思います。今の所日本で販売されているKirin 710搭載機はHuawei Mate 20 lite、Huawei nova 3 liteの2つです。

どちらも優れた製品であることは間違いないので、カメラやバッテリー容量をしっかり比較して購入することをおすすめします。