Snapdragon 865 5GのAnTuTuベンチマークスコアが公開

Snapdragon 865 5GのAnTuTuベンチマークスコアが公開

2019年12月16日
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本日12月16日はQualcommが先日発表したQualcomm Snapdragon 865 5G Mobile Platformの情報解禁日となり、様々な情報が公開されました。その公開された情報の中にAnTuTu Benchmark v8のスコアがありましたので、そのスコアを利用して簡単に比較をします。

計測に使用されたQRD(Qualcomm Reference Design)のスペックは、Android 10、RAM 12GB(LPDDR5)、内蔵ストレージ 128GB(UFS 3.0)、WQHD+(2880x1440)です。

比較対象はSnapdragon 855 PlusHuawei Kirin 990 5GSamsung Exynos 9825MediaTek Dimensity 1000です。

 

スペック表はこのようになります。Snapdragon 865 5GはSnapdragon 855 Plusと比較して、CPUは派生モデルではなくARMの設計書通りのARM Cortex-A77とARM Cortex-A55が採用され、周波数はプライムコアのみ0.12GHz低く設定されています。

GPUは1世代向上し、周波数は587MHzとなっています。RAMはLPDDR4Xよりも高速なLPDDR5規格を搭載することが可能で、12月16日現在Snapdragon 865 5GとSamsung Exynos 990が対応しています。

Snapdragon 865 5Ghは5Gモデムが統合されていない製品なのでSoC単体では4G LTE通信にすら対応しておらず、外部モデムとしてSnapdragon X55 5G Modemを搭載することで5G NR通信を始めとしたモバイルネットワークを利用することが出来ます。しかし、5Gモデムが統合されている製品はSub-6GHzのみの対応にとどまっており、一方で外部モデムを必要とするSnapdragon 865 5GはmmWaveに対応しているのでこの点では優位に立っています。更に、アメリカ合衆国のT-Mobileの5GサービスはmmWaveを利用しているので、アメリカ市場を攻略する際にはSnapdragon 5G+X55 5G Modemの組み合わせが必要となるでしょう。

 

気になる性能は、CPU性能が182,317点、GPU性能が220,682点、MEM性能が82,149点、UX性能が83,771点で、総合性能は568,919点となりました。

総合性能はSnapdragon 855 Plusと比較して約15%、CPU性能は約25%、GPU性能は約15%の性能向上で、Qualcommの期待値から考えられるとそれほど大きな成長は行われておりません。MEM性能はLPDDR5が搭載されているのにスコアが低くなっているのはレイテンシが低下していることが原因と考えられています。

今回発表されたSnapdragon 865 5GのスコアはAndroid OS搭載機なので、iOSを搭載しているApple製品と比較するのは不適当だとAnTuTuが公式声明を出しています。そのため、今回はすべてAndroid OSを搭載しているプラットフォームやプロセッサーと比較していることをご了承ください。